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【三重】“戦争遺産”を美杉小校庭に コンクリートポスト移設
津市美杉町八知にある全国的に珍しいコンクリート製の郵便ポストが16日、建設工事に伴い、近くの美杉小学校に移設された。戦時中、鉄製のポストを供出した代わりに造られた“戦争遺産”。「後世に歴史を語り継いでほしい」との地元関係者の思いが一致し、再び保存されることになった。 ポストは高さ1・3メートル、直径40センチの丸形。かつて地元の農協支店前に置かれていたが、閉店に伴い昭和50年代にその役目を終え、旧美杉東小校庭に置かれた。 だが、旧美杉東小校庭に新たな市施設が建設されることになり、管理する市が近くの美杉小に移転を打診。市には愛好者から「譲ってほしい」との問い合わせも複数寄せられたが、地域の財産として美杉小に設置することが決まった。 逓信総合博物館(東京)や日本郵便によると、鉄製ポストは太平洋戦争中に物資不足で回収され、代わりにコンクリート製が全国に普及した。戦後は再び頑丈な金属製に戻り、今では美杉町のようなコンクリート製丸形ポストはほとんど残っていない。 かつてこのポストの集荷をした地元郵便局OBの登四郎さん(65)は「ポストを知る人もほとんどいなくなった。残って良かった」と歓迎。設置を快諾した美杉小の中谷初男校長も「子どもたちが戦争と平和を考える教材として活用したい」と話している。 (河北彬光) PR情報
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