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ボーナスの使い方で人生観がわかる!

BLOGOS 編集部 1月16日(月)13時6分配信

<森永卓郎のBLOGOS経済塾第3回「冬のボーナスの賢い使い方」>

わかっているようでわかっていない経済問題を身近な問題に置き換えて紹介する番組、森永卓郎のBLOGOS経済塾。

今月から生徒役には、あのAKB48からチーム4のしおりんこと仲俣汐里ちゃんがレギュラー出演が決定!しおりんは、AKB48でありながら、早稲田大学政治経済学部経済学科に通う、才色兼備なアイドル!AKB評論家の森永さんもオープニングから大興奮でした。

そして今夜のテーマは「冬のボーナスの賢い使い方」では、不況を生き抜く森永流経済論が飛び出しました。

■ボーナスってなんですか?

小口:そもそもボーナスってなんなんですか?

森永:世界的に見ると、非常に特殊な習慣なんですね。欧米では全くないわけではないんですけれども、13カ月目の給与っていわれるケースもあるんですよ。1年にせいぜい1カ月分、クリスマスの時にプレゼントみたいにくれる…っていう程度しかなくて。日本のように、夏2カ月、冬2カ月、下手すると年度末にも 0.5カ月って言う風にくれる国って、他の国では全く聞かないんですね。正確な歴史は知らないんですけれども、江戸時代からやっていたんじゃないかなあって気はするんですよ。
映画にもなった「武士の家計簿」って本があるんですけど。なにが書いてあるかというと、昔、武士っていうのは偉くって、いっぱい使用人を使うわけです。使用人というのは、今で言うサラリーマンになりますが。でも、盆暮れには住み込みで働いている使用人を自分の家に帰してあげるわけです。その時に「故郷に錦を飾りなさい」といって、そっとお金を渡してくれて、服まで新調してくれて。それを「お仕着せ」と呼んだんだって書いてありました。だから「お仕着せ」っていい言葉だったんです。

仲俣:そうなんですね。

小口:今じゃ、あんまりいい言葉としては使われないもんね。

■投資のチャンスは、2014年の秋!

小口:日本経済新聞が「この冬のボーナスの使い道」について調査を行ったところ、こんな結果がでています。1位貯蓄・43%、2位生活費の補てん・21%。なんかこの2つだけで6割超えちゃった。泣いてもいいですか。

仲俣:寂しいですよねー。

小口:しおりんだったら、どんな風に使いたいですか?3位以降は旅行やレジャーってあるんですけども。

仲俣:寂しいとかいいながら、私も貯金しちゃうかなーと思いますね。

小口:お年玉もしっかり貯めるタイプ?

仲俣:お年玉も半分使って、半分貯金してます。

小口:なんなんでしょうね、この日本人の感覚って。4位はテレビ・家具などの耐久消費財ですよ。5位住宅ローンの返済、6位投資。バーンと派手に使う思考は、1位、2位を見ている限りはないですね。

森永:ボーナスをどうするかっていうのは、その人の人生観なんだと思うんですね。思い切って自分のために投資をするっていう使い方も1つはあると思うんですけれども。私はこの貯蓄をするっていう生き方は、少なくとも今年、来年ぐらいなら、結構いい選択だと思うんですよね。

小口:なんでですか?

森永:実はですね。復興需要がでてきますから、来年の景気は大丈夫なんですよ。失速はしないんです。再来年もそこそこは大丈夫。ただ怖いのは2014年の秋以降なんですね。何があると思います?

仲俣:なにがあるんだろ・・。なんですか?

森永:実は、2013年の秋から消費税が上がる可能性があります。すぐには失速しないんですが、2014年からズルズル落ちてきて。2014年後半から恐慌に入る可能性がある。本当に消費税をあげたら、私は十分にあると思うんですよね。だから、今年、来年ぐらいは大丈夫で、2013年から少し怪しくなってきて、2014年にドーンと落ちるっていうのが、一番可能性としては高いんじゃないかなと。そうすると何が起こるかというと、資産価格が暴落するわけですね。だから、その時に種銭を持っていれば、安くなった不動産や株式をガンガン買えるわけです。

小口:じゃあ、この今のボーナスの貯蓄を2014年秋以降に使うってわけですね。森永さんだったら。

■お金に対するフットワークを鍛える

小口:貯蓄はするべきかという話でいったら、2014年に向けてはいいんじゃないかということでしたが。その時、貯蓄はどうすればいいのか?「金利も上がらないからタンス預金でいいや」って言う人もいますが。森永さんだったら、どうやって貯蓄しておきますか?

森永:必要なのは“いつでも元本が保証されていて、すぐに引き出せる”というのが、今の時代には一番いいと思います。タンス預金でも銀行預金でも、なんでもいいんですが。それと、もう1つ必要なのは、お金に対するフットワークを鍛えておくということです。なぜかっていうと、デフレの時は資産価格がズルズル下がっていくんです。ところが、デフレが切り変わった瞬間は、ロケットが上がったようにドッカーーンといくんです。だから、このデフレが切り変わった瞬間に、いかに乗っかるかという勝負なんですね。

小口:でも、そんなことはみんな分かってるのに、そこを押さえられないんですよ。

森永:いやいや、そうじゃないです。どうして乗り遅れるかというと、普段からフットワークを鍛えてないからです。例えばね、株式投資の口座を作りたいってみんな思ってて。「あんなのすぐに作れるや」っていうんですけど、意外とできないんですよ。ITの技術力がない人っていうのは、必ず申し込みの画面で止まっちゃう人とかっているんです。

小口:確かに、ネットの証券会社の申し込み用紙って、すっごい分厚くて多いですからね。

森永:連絡が返ってきて番号を登録しなくちゃいけないとか、口座にお金を入れないといけないとか。色んなところに障害があってですね。そこで止まっちゃってると“いざ”って時に勝負にいけないんです。思い切ってやる必要は全然ないと思いますけど。小さなお金で練習をしておく。つまり普段から走ってない人はマラソンを走れないんです。だから、ジョギングをはじめておく。基本的にお金は貯めているんだけれども、練習はしておくっていうのが、私は一番賢いと思いますよ。どこで流れに乗ったらいいかっていうのは、ものすごく難しいんです。ただ、そこを拾うのは神様じゃないとできないので。これはみんないうので。

小口:だって、証券会社の人だって、本当に流れがつかめてるんだったら、とっくに証券会社辞めてますよね?

森永:自分で手張りして儲けてますよね。そこは難しいんですけど。ただ、かなり上がってきたなというところで乗るっていうのも、全部は理財がとれなくても、ある程度はとれる。ファンドマネージャーが高い利回りを実現してくれるって思うのは過剰な期待なんです。彼らがやっているのは、リスクを分散させて平均的な株価をトレースするっていうことだけで。先のことなんか誰にもわからないんです。ただ、株式にしろ、不動産にしろ、原則は安い時に買って、高い時に売る。これ、誰が考えたってわかりますよね。

■勉強するならキケンな株に投資しよう!

小口:しおりんみたいな学生さんでも、やっぱり投資の勉強やお金に関する知識はもちろんつけなきゃいけないじゃないですか。そういう足腰を鍛えるために学生でもできることって?

森永:基本的に、お金が貯まる人と貯まらない人の最大の差はなにかっていうと。生活して余ったお金を貯める人は絶対に貯まらないです。最初に貯蓄する分をまず決めて、残りで生活するって言う人は貯まるんです。これはほとんど例外のない法則ですね。

小口:しおりんはどうですか?

仲俣:私は、お年玉も最初に使う分と貯める分を分けちゃうんですよね。

小口:財を成すタイプですね。

仲俣:それはよかったんだなと思って。嬉しかったです。

森永:比率はその人の根性によって違うんですけど。ドンドンドンドン無限にあげていけるんですよ。私が出会った一番すごい大阪の専業主婦は、年収600万の旦那しかないんですけど。1年間で500万貯めたっていってましたよ。「そんなのムリでしょ」って言ったら、旦那の給料は一銭も手をつけずに100%貯めたって言ってました。「食えないじゃないですか」って言ったら、その分は自分がちょこちょこバイトして、生活費は全部奥さんのアルバイトで賄っていたんです。だからやる気になれば100%までいけるわけです。

仲俣:すごーい!

森永:すごいでしょ?私も毎日はやってないんですけれども。お金を一銭も使わないっていう日を週に2日は作ってるんです。意外とできるもんです。やる気になれば。

小口:話しを戻しますけど。投資を若い人でも勉強するにはどうすればいいですか?

森永:それは小さいのでまず練習をして。あるんですよ、ミニ株とか。

小口:あれって、何歳から買うことできるんですか?学生でも大丈夫?

森永:子供でも買えますよ。馬券と違うので、株式はOKです!それで、なるべくキケンな株から入ったほうがいいと思うんです。なんでかっていうとですね、人間は痛い目みないと成長しないんですよ。

小口:でも、女性だったら。毎日髪の毛をセットするのにあるヘアスプレーを使いますと。周りの友達も同じメーカーのヘアスプレーを使ってるから、この銘柄がいいんじゃないかっていう選び方もあるんじゃないですか?

森永:自分の生活実感の中から「こういうの流行ってるな」っていうので、投資するのは某女性芸能人がやってましたが、そこそこうまくいっていたみたいです。

小口:自分が気にいった銘柄に…というのは、初心者にとっては投資しやすいと思いません?

森永:そうですね。初心者は自分の生活から発想するっていうのは1つですし。もう1つは株主優待がつく株を買うのも手ですよね。おまけがつくわけですよ。単元株っていって、基本取引単位まできちんと買うと。食べ物のおまけっていうのと、乗り物のおまけっていうのと、割引券などの買い物のおまけっていうのと、おもちゃっていうのと。おおざっぱにわけて4種類あるんですけど。その中で自分の欲しい物を選ぶ。人気は食べ物系なんです。なんでかっていうと、配当金でもらうよりも、食べ物が来ると利益実感があるんです。

仲俣:友達にもいますね。両親が株に投資してて、株主優待券持ってきて。

小口:いいなって思う?

仲俣:いいなぁって思いますね、やっぱり。

森永:そういうところから入っていって、仕組みを勉強する。シミュレーターとかいっぱいあるんですけれども。やっぱり実際にやらないと成長しないんですよ。特に痛い目にあわないと成長しないので。全部つっこんじゃマズイと思うんですけど。とりあえずちょっとやってみて。激しく動くやつ、もしかすると危ないっていう株で、痛い目を見る。

小口:私、多分できないですねー。慎重に、慎重にいきますね、多分。

森永:でもね、本当に“安全が安全か”っていう問題があって。株式投資をする中で、ここは一番安全だって思われていたのが「東京電力」って会社だったんです。もうすっごい下がりましたからね。だから世の中に100%はないんです。

小口:オリンパスだって、ずーっと横ばいで安定した株価を維持してたわけですからね。

森永:でもね、世の中にはすごい人がいてね。外資系の投資銀行はですね、下がるのを予測して空売りをかけて20億円以上儲けたって話ですからね。

小口:株式投資はそういったところから小額でもできるので、優待とか利用してみてはいかがでしょうか。

■無駄遣いは、教養レベルを測るバロメーター

小口:みなさんからも質問をいただいてますので、ご紹介していきたいと思います。まずは「樟脳(ナフタリン)はなぜ国(専売公社)が売ってたんですか?」

森永:私も戦後の混乱期っていうのは、よくわからないんですけれども。たぶんね、服を虫がいっぱい食っちゃう。今はそんなことないんですけど、昔は本当にたくさんあったんですよ。だから樟脳っていうのがすごく貴重で。それをきちんと計画生産して、国の力で安定して供給するっていうのがとっても大切だったんだと思います。だからある意味では塩とおんなじですよね。塩も別にすごく儲かるわけじゃないんです。塩は安いんです。安いんだけど、塩がなかったら困るわけですよ。だからちゃんと国が計画的に作って、計画的に販売できるようにしましょうっていうことをやっていたんだと思いますけどね。

小口:さぁ、じゃあここで。BLOGOS経済塾の生徒でもあるしおりんから森永さんに素朴な経済の疑問を質問してもらいたいと思います。

仲俣:はい。あのですね、年末年始になると、ジャンボ宝くじがでるじゃないですか。あれはどこから財源がでているのか、すごい気になってて。あの当選金は売り上げからだしてるんですか?

森永:宝くじはギャンブルっていっていいかどうかわからないんですけど。種類としては、競輪とか競馬とかカジノとか、そういうのと基本的には同じなんですね。当たった人にドーンとお金がいくと。ただ、リターン率からいうと、すっごく低いんですよ。宝くじの場合は、種類によっても少しずつ違うんですけれども。おおざっぱにいうと、みんなが買った金額の4割しか返ってこないんです。だから100万円の売り上げがあったら、そのうち40万円が当選金として支払われると。

小口:じゃあ、残り60万円は?

森永:それは、その販売の経費だとか。色んな公益事業に使われたりするんです。ただ、宝くじはなんで人気があるかというと、ドーンと入ってくるんですよ。

仲俣:あれって、ホントに当たってるんですか?

森永:周りで3億円当たったって人、聞かないでしょ?

仲俣:いないですよ、ホントに!

森永:なんでかっていうと。高額当選をした瞬間に、銀行がですね。「当選したその日に読む本」というのを渡すんです。それを開くと最初に「当選したことを誰にも言ってはいけません」って書いてあるんです。

仲俣:えっ!?そうなんですか!?

森永:なぜかっていうとですね、いっぱいたかりにくるんです。寄付してくれっていう人から、金貸してくれ、お金くれ。い〜っぱいよってくるんです。だから、まずそれを振り切るっていうのをやんないといけないんです。しかもね、それを振り切ったとしても、そこから茨の道が待っているんですよね。人間っていうのは弱いんですよ。普段見つけない億単位のお金。握ったことあります?

仲俣:ないです。

森永:私、今まで握ったお金で一番大きいお金が4000万円だったんですけど。営業所の全員のボーナス分を触らせてもらったんですけど。4000万円でもかなりぎっしりです。1億円だと大きめのショッピングバッグいっぱいになるんです。1万円札で。

仲俣:重そう。

森永:10キロありますから。それで、そのお金を目にしてしまうと、ちょっと感覚がおかしくなっちゃんですよ。よくあるパターンっていうのは、それを握ってキャバクラとか行くわけですね。

小口:男性の場合ね。

森永:使っているうちに、取り巻きっていうのがでてきて、おごっちゃうんです。そのうち、遊び方がドンドン派手になっていって、ほんの数カ月で全部使い果たして、逆に借金まで作っちゃうっていうのが、よくあるパターンです。

小口:それ実際の話?

森永:実際の話です。

小口:女性だったら宝飾品、洋服とかいくんでしょうねー。しおりんはもし3億円あったら?

仲俣:うーん。そうですね。やっぱり半分貯金して、半分使いますね。普段買えない大きいものをドーンって。

森永:私、いつもいってるのは、1日でどれだけ無駄遣いできるかっていうのが、その人の教養レベルを示すって言ってるんですよ。知らないと意外に使えないんです。1日で1億5000万使うとしたら、何買います?

仲俣:1億5000万!?どーしよ。私、食いしん坊なので、すっごい高級なものを食べに行きたいですね。

小口:1億5000万だよ!!

森永:お腹破裂しちゃいますよ。

仲俣:そうですね。どーしよー。あとは、美味しい食べ物を食べるために海外に行く。旅行も最近あまりしてないので。旅行したいですね。お金があったら。

森永:どうやって行くんですか?

仲俣:どうしましょうかねー。せっかくだから、じゃあ船で。のんびり時間かけて。

森永:ここらへんがね。まだまだ世の中で揉まれてないというか汚れてない。純粋ですよねー。ちょっと悪くなるとプライベートジェットで飛んでって。

小口:なんでわかったんですか!?

森永:そう思ってました?

小口:うん。あとビル1棟買おうかな…とかね。あと「AKB48選抜総選挙」の投票券が入っているCDを1億5000万円分買って。

仲俣:なるほどー!

森永:まぁ、お金の使い方でその人の人生観があらわれる。経験があらわれるということだと思いますよ。

■出演者プロフィール

森永卓郎
1957年東京生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。日本専売公社、日本経済研究センター、三井情報開発株式会社総合研究所、UFJ総合研究所を経て、現在 獨協大学経済学部教授。 専門はマクロ経済・計量経済・労働経済

仲俣汐里
1992年7月25日生まれ。AKB48チーム4所属。AKB48の研究生として活動しながらも、早稲田大学政治経済学部に現役合格。学業とAKB48の活動を両立させた。その努力が認められ、正規メンバーへと昇格、チーム4所属となる。

小口絵理子
アナウンサー。1998年、ニッポン放送入社。翌年から、朝のニュース・情報番組「高嶋ひでたけのおはよう!中年探偵団」昼のバラエティ「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」のアシスタントを担当。退社後は長野県庁の派遣研修員として中国・河北大学へ1年間留学。

最終更新:1月16日(月)13時25分

BLOGOS 編集部

 

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