外交通商部(省に相当)の金殷石(キム・ウンソク)エネルギー資源大使の弟または妹(編注:記事原文で特定できず)夫婦が海外で資源開発を手掛けるCNKの株式1億ウォン(約670万円)相当を購入。さらに、外交官の家族、親戚が事件に関与していたことが明るみに出て、外交通商部は緊張に包まれている。今回の事件は、2009年に柳明桓(ユ・ミョンファン)元長官の娘が外交官試験で不正に優遇された事件と並び、外交通商部のモラルハザードが問題視されそうだ。
■金大使「自分とは関係ない」
金大使は、弟または妹の夫婦がCNK株を購入後、10年12月にCNKがカメルーンのダイヤモンド鉱山開発権を取得したという報道発表を行い、株価を急騰させた疑いが持たれている。
金大使は16日「自分とは全く関係なく、間接投資を行ったこともない」と疑惑を否定した。メディアとの接触を避けてきた金大使は16日、本紙記者と会い「昨年10月に監査院の監査を受けるまで、事業を営む夫婦がCNKに投資していた事実を全く知らなかった」と話した。
しかし、外交通商部は今回の事件に衝撃を受けている。同部高官は「金大使が30年も働いてきた組織にこういう形で被害を与えるのは困る。自分と周辺人物には何も問題がないと話してきたが、あんまりではないか」と当惑している。金星煥(キム・ソンファン)外交通商部長官は同日、幹部職員との夕食の席で「なぜこういうことが起きるのか分からない」と挫折感を口にしていたという。
外交通商部の別の関係者は「柳明桓元長官の娘の採用に便宜を図ったことで人事が変動し、やっと安定を取り戻したところだったが、再び金殷石騒動が起きるのではないかと恐れている」と話した。
一方、金大使は一部メディアに対しても「CNK株を買っておくとよい」などと発言していたことが分かっている。首相室に出向で出ていた際にも、CNK株の購入を勧誘していたとされる。