財団法人高雄病院は漢方治療・アレルギー治療・糖質制限食による糖尿病治療を行っております。

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糖尿病治療(糖質制限食)

糖尿病メタボに血糖値の上がらない糖質制限食を

 糖質のコントロールを主とした画期的な糖尿病食事療法、糖質制限食。糖質制限食の基本的な考え方は、血糖値を上昇させる糖質を制限し、たんぱく質を中心に摂取することで血糖値の急激な上昇を避ける糖尿病・メタボリックシンドロームのための食事療法です。

糖質制限食について
血糖を上昇させる糖質をコントロール
糖質制限食を実践するにあたって
糖質制限食にオススメの食材

糖質制限食について

● 糖質を考える画期的な食事療法

 糖尿病の治療は、1に食事、2に運動、3に薬といわれています。 ですが、毎日、バランスを考えカロリー計算した食事療法を守り、運動をしていても血糖コントロールがうまくいかない患者様がおられます。
 そういう患者様に今までとは違う画期的な食事療法である糖質制限食をお薦めします。
 糖質制限食の基本的な考え方は、出来るだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるイメージになります。抜く必要がある主食とは、米類、麺類、パンなどの米、麦製品や芋など糖質が主成分のものです。

● 糖質制限食実践の3パターン

スーパー糖質制限食

朝食、昼食、夕食の三食とも主食を抜く。効果は抜群で早く、糖尿病や肥満、メタボリック症候群を速やかに解消したい方にオススメします。
※主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品やいも類などの糖質を多く含む食品の事です。

スーパー糖質制限食

朝食と夕食は主食を抜き、昼食のみ主食をとるパターン。糖尿病や肥満の解消を目指したいが、どうしても昼食に糖質制限食を行うのが難しい方へ。

スーパー糖質制限食

夕食だけ主食を抜く、ダイエット目的として行う場合や、嗜好的にどうしても炭水化物が大好きでやめられない方に。糖尿病患者様にはスーパー糖質制限食もしくはスタンダード糖質制限食をオススメします。

● 糖質制限食を実行する場合の注意点

 糖質制限食は開始直後から効果があるため、 経口血糖降下剤内服やインスリン注射をしている人は 低血糖発作を起こす可能性があります。 そうした方は、かならず医師と相談し、出来れば入院して糖質制限食を行って下さい。
また、腎機能の低下している人には糖質制限食は適していませんのでご注意下さい。

血糖を上昇させる糖質をコントロール

● 血糖値を上昇させる糖質

 一般的な糖尿病の食事療法として「男性は1600kcal、女性は1200kcal」と言う風に、日本ではカロリー制限優先の画一的な方法により対応しています。
一般的な糖尿病食は「高糖質、低脂肪食」で対エネルギー比で糖質約57%、脂質約25%、蛋白質18%程度です。
しかし三大栄養素のうち血糖を上昇させるのは糖質のみであり、カロリー制限よりも摂取食物の質のほうが本質的に重要です。
ちなみに糖質は摂取後15分~90分で100%、蛋白質は3時間前後で約50%、脂質は数時間~12時間で10%未満が血糖に変わります。


3大栄養素と血糖値

   食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わり、タンパク質・脂質は血糖に変わらない(表1)。糖質は摂取直後から急峻に血糖値を上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収される。一方蛋白質・脂質は血糖値に影響をあたえない。1997年版のLife With Diabetesでは、「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」という記載があるが、2004年版では削除されている。これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質であり、現在問題とされているグルコーススパイク(食後高血糖)を引き起こすのは3大栄養素の中で糖質だけである。従って糖質を摂取しなければ食後高血糖は生じず、血糖値はリアルタイムに改善する。一方カロリー制限をしても糖質を摂取すれば必ず食後高血糖を生じる。

糖質制限食を実践するにあたって

● 糖質とは一体なにか?

 糖質とは炭水化物から食物繊維を引いた残りの栄養素です。糖質と聞くと砂糖やお菓子のみを思いうかべる人が多いですが、一般的に主食と呼ばれる炭水化物などにも多く含まれています。たとえばご飯や小麦粉を多く含むパン、麺、また、じゃがいもやかぼちゃなどにも多く含まれています。

 日本酒などが多く含まれるみりん風調味料、ソースやケチャップなどにも意外に多く含まれている場合があります。

糖質制限食にオススメの食材

● 糖質の低い食材とは?

 大豆、お魚、お豆腐、チーズ、お肉などのたんぱく質や脂質が主成分の食品や海草、きのこ類は糖質が低く血糖値の急激な上昇をおこさない。それに比べて白砂糖やパン、ごはん、麺類、菓子などの精製された穀物を多く含む食品は糖質が高いので注意しなければならない。とくにビールや牛乳、果汁ジュースなどは吸収がよいため急激な血糖値の上昇を招くので要注意です。水やお茶、アルコール類なら蒸留酒(焼酎、ウイスキー、泡盛など)は糖質がないので糖質制限食に問題ありません。