核開発問題を巡る欧米の経済制裁に反発して、イランが原油の輸送路のホルムズ海峡の封鎖も警告するなか、柳澤経済産業政務官は15日、日本にとって最大の原油供給国のサウジアラビアを訪れ、原油の安定確保に協力を求めました。
核開発を進めるイランに対し、欧米諸国は原油を対象にした経済制裁の強化を進めていますが、イラン側は、これに反発して原油の主要な輸送路であるペルシャ湾のホルムズ海峡を封鎖すると警告しています。こうしたなか、政府は玄葉外務大臣に続いて、柳澤経済産業政務官を中東の産油国に派遣し、15日にサウジアラビアの首都リヤドで、アブドルアジズ石油次官との会談が行われました。会談の中で柳澤政務官は、イラン情勢を念頭に「日本にとって原油の安定確保は不可欠で、サウジアラビアは信頼する原油の供給国だ」と述べて、サウジアラビア側の協力を求めました。これに対し、アブドルアジズ次官は「サウジアラビアは、これからも信頼できる原油の供給国であり続ける」と述べて、安定供給に努める姿勢を示しました。サウジアラビアでは、先週からイギリスのキャメロン首相や、中国の温家宝首相が相次いで訪問するなど、各国のエネルギー外交が活発化しています。柳澤政務官は16日から日本にとって第2位の原油供給国のUAE=アラブ首長国連邦で政府要人と会談し、原油の安定確保を働きかけることにしています。