日本とイスラエルが外交関係を結んでことしで60年となるのを記念して、演出家の蜷川幸雄さんが両国の俳優が共演する演劇を演出することになり、中東和平問題が暗礁に乗り上げるなかで、平和の重要性を訴えたいとしています。
蜷川さんが演出するのは、ギリシャ悲劇の「トロイアの女たち」で、日本人とユダヤ系とアラブ系のイスラエル人の俳優らが共演し、日本語、ヘブライ語、それにアラビア語という3つの異なる言葉が入り交じる舞台になるということです。これについて、テルアビブ市内の劇場で記者会見をした蜷川さんは「異なった文化や言語を持つ人間がいかに他者を理解できるのかを問う公演になる」と述べ、中東和平問題が暗礁に乗り上げるなかで、平和の重要性を訴えるねらいもあるということです。記者会見後は早速、オーディションが行われ、せりふを読み上げるイスラエル人の俳優たちを蜷川さんが真剣なまなざしで見つめていました。演劇は、ことし12月に東京とテルアビブで上演される予定だということです。