食品に含まれる放射性物質の基準がことし4月から大幅に厳しくなるのを前に、厚生労働省は16日、一般の消費者などを対象にした新たな基準値についての説明会を開きました。
東京・千代田区で開かれた説明会には、消費者や農家などおよそ200人が参加しました。この中で厚生労働省は、食品に含まれる放射性セシウムの基準値について、ことしの4月から「一般食品」は現在の暫定基準値の5分の1に当たる1キログラム当たり100ベクレル、「乳児用食品」と「牛乳」は50ベクレル、「飲料水」は10ベクレルとすることを説明しました。そして、すでに収穫している米や大豆など一部の食品については、混乱が起きないよう、一定期間経過措置を設けたうえで、新たな基準値を適用する方針を示しました。参加した人からは「経過措置はなるべく短くしてほしい」とか「すべての食品についてきちんと検査を行ってほしい」といった意見が出されていました。説明会に参加した神奈川県の農家の男性は「高い数値の食品が出回っていると消費者に誤解を与えるので経過措置はなくしてほしい」と話していました。厚生労働省は、来月末までに福島市や大阪市など全国の合わせて7か所で新たな基準値についての説明会を開くことにしています。