北海道の大手スーパー「ラルズ」(札幌市)が取引上立場の弱い納入業者に従業員の派遣や協賛金を強要した疑いが強まったとして、公正取引委員会は17日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで同社を立ち入り検査した。10年1月に優越的地位の乱用が課徴金の適用対象になってからこの容疑での立ち入り検査は4例目。
関係者によると、同社は店舗の新規・改装オープンに合わせ、納入業者に従業員の派遣を強要して商品の陳列をさせたり、協賛金を求めた疑いがある。取引先の大手卸売業者を通すなどして派遣を強要したとみられる。納入業者に同社で販売するスーツを購入するよう強要した疑いもあるという。
同社は札幌市を中心に約60店舗を展開し、売上高は年約1150億円。北海道や東北でスーパーなどを運営する「アークス」(札幌市)のグループ会社の一つで、グループの総店舗数は昨年11月末で約250店。
ラルズは「立ち入り検査があったのは事実で、全面的に協力する」とコメントしている。【桐野耕一】
毎日新聞 2012年1月17日 15時00分