芥川賞「都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる」 田中慎弥さんの受賞会見
産経新聞 1月17日(火)23時50分配信
「共喰(ともぐ)い」で芥川賞を受賞した田中慎弥さん(39)は、ジャケットに紺のタイ、デニムパンツという服装。5度目のノミネートを経ての受賞だったが、その顔に笑みはなく、浮かない表情で会見場に登場。脱力したような、斜に構えたような態度で席についた。
−−まず一言
「確か、(米女優の)シャーリー・マクレーンが何度もアカデミー賞にノミネートされた末にようやく取ったとき、『私がもらって当然だと思う』と言ってたらしいが、だいたいそういう感じです」
《会場、爆笑》
「4回も落とされたので、断るのが礼儀といえば礼儀。でも私は礼儀を知らないので、(芥川賞を)もらうことにした。断って、気の小さい選考委員−都知事が倒れて都政が混乱してはいけないので。都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる。もう、とっとと終わりましょうよ」
《体をひねって嫌がる田中さん》
−−今回は東京ではなく地方在住の作家の受賞が目立つが
「感想はありません」
−−他の受賞作については
「読んでないのでわかりません」
−−5度目の候補で受賞したことについて
「1回目で受賞するのが一番いいんで。5回目だとまぬけです。もうやめましょうよ」
−−田中さんは「自分は働いたことがない、働いたら負けだ」と以前話していましたが、いま仕事の見つからないニートの方に一言あれば
「人によって状況が違うので他の人に言うことはありません。私は本を読んで小説を書いて、小説家になっただけです」
−−田中さんは携帯を持っていないが、今日はどのようなかたちで受賞の報を受けたのか
「都内の飲み屋で待っていました。プリぺイド方式の携帯を編集者が持ってきて、(受賞の報を)受けました」
−−どなたかに知らせましたか
「母に」
−−お母さまは何と?
「『良かったね、おめでとう』だけです」
−−文学振興会から受賞の報を受けたとき、どう返事したのですか
「ちょうだいします、と」
−−今回の受賞を受けて、心境の変化はありますか
「気持ちの変化はありません。私には意欲がありません」
−−故郷・下関への思いを教えてください
「非常に乾いた街です」
−−受賞によって下関を離れるとか、書くスタイルは変わりませんか
「今までどおりです」
−−シャーリー・マクレーンと同じく受賞は「当然だ」ということですが、当然とは?
「当然だから当然です」
−−選考委員の石原慎太郎氏に一言
「おじいちゃん新党結成に向けていそしんでいただければ」
−−地元の恩師の方からもお祝いの声が寄せられています
「それは嘘ですね、私は教師に嫌われていたわけですから」
−−不機嫌なのはなぜ?
「とにかくやめましょうよ。私は円城さんのように丁寧にできないので」
−−今日はお酒は飲んできたんですか
「ワイン2杯くらいです」
−−たくさんの人の前で話すのは嫌いなのですか
「こんな場所で話すのが好きな人はいないでしょう。政治家じゃないんだから」
−−最近講演などもされているそうですが
「それは、ギャラが出るんで」
《終始、不機嫌な様子の田中さんだが、過激な発言に会場は時折、苦い笑いに包まれた。果たして芝居なのか、本心なのか…》
【関連記事】
直木賞「地方で歴史の敗者を描く」葉室麟さん会見
芥川賞の円城塔さん「ニコ動見てたら受賞の電話が」
「これまでにない完成度だ」葉室麟を浅田次郎が絶賛
芥川賞に円城塔さんと田中慎弥さん、直木賞は葉室麟さん
『坂の上の雲』『翔ぶが如く』同時構想のメモ見つかる
ゴルゴ13 人気の秘密は… 累計2億部
−−まず一言
「確か、(米女優の)シャーリー・マクレーンが何度もアカデミー賞にノミネートされた末にようやく取ったとき、『私がもらって当然だと思う』と言ってたらしいが、だいたいそういう感じです」
《会場、爆笑》
「4回も落とされたので、断るのが礼儀といえば礼儀。でも私は礼儀を知らないので、(芥川賞を)もらうことにした。断って、気の小さい選考委員−都知事が倒れて都政が混乱してはいけないので。都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる。もう、とっとと終わりましょうよ」
《体をひねって嫌がる田中さん》
−−今回は東京ではなく地方在住の作家の受賞が目立つが
「感想はありません」
−−他の受賞作については
「読んでないのでわかりません」
−−5度目の候補で受賞したことについて
「1回目で受賞するのが一番いいんで。5回目だとまぬけです。もうやめましょうよ」
−−田中さんは「自分は働いたことがない、働いたら負けだ」と以前話していましたが、いま仕事の見つからないニートの方に一言あれば
「人によって状況が違うので他の人に言うことはありません。私は本を読んで小説を書いて、小説家になっただけです」
−−田中さんは携帯を持っていないが、今日はどのようなかたちで受賞の報を受けたのか
「都内の飲み屋で待っていました。プリぺイド方式の携帯を編集者が持ってきて、(受賞の報を)受けました」
−−どなたかに知らせましたか
「母に」
−−お母さまは何と?
「『良かったね、おめでとう』だけです」
−−文学振興会から受賞の報を受けたとき、どう返事したのですか
「ちょうだいします、と」
−−今回の受賞を受けて、心境の変化はありますか
「気持ちの変化はありません。私には意欲がありません」
−−故郷・下関への思いを教えてください
「非常に乾いた街です」
−−受賞によって下関を離れるとか、書くスタイルは変わりませんか
「今までどおりです」
−−シャーリー・マクレーンと同じく受賞は「当然だ」ということですが、当然とは?
「当然だから当然です」
−−選考委員の石原慎太郎氏に一言
「おじいちゃん新党結成に向けていそしんでいただければ」
−−地元の恩師の方からもお祝いの声が寄せられています
「それは嘘ですね、私は教師に嫌われていたわけですから」
−−不機嫌なのはなぜ?
「とにかくやめましょうよ。私は円城さんのように丁寧にできないので」
−−今日はお酒は飲んできたんですか
「ワイン2杯くらいです」
−−たくさんの人の前で話すのは嫌いなのですか
「こんな場所で話すのが好きな人はいないでしょう。政治家じゃないんだから」
−−最近講演などもされているそうですが
「それは、ギャラが出るんで」
《終始、不機嫌な様子の田中さんだが、過激な発言に会場は時折、苦い笑いに包まれた。果たして芝居なのか、本心なのか…》
【関連記事】
直木賞「地方で歴史の敗者を描く」葉室麟さん会見
芥川賞の円城塔さん「ニコ動見てたら受賞の電話が」
「これまでにない完成度だ」葉室麟を浅田次郎が絶賛
芥川賞に円城塔さんと田中慎弥さん、直木賞は葉室麟さん
『坂の上の雲』『翔ぶが如く』同時構想のメモ見つかる
ゴルゴ13 人気の秘密は… 累計2億部
最終更新:1月17日(火)23時50分