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【大相撲】

稀勢の里 勝ち越し決めた

2012年1月17日 紙面から

◇初場所 9日目(16日・両国国技館)

稀勢の里(左)が寄り切りで豊真将を下し、勝ち越しを決めた=両国国技館で

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 横綱白鵬(26)=宮城野=と大関把瑠都(27)=尾上=がともに危なげなく全勝を守った。白鵬は関脇豊ノ島を押し出しで退け、把瑠都は高安を突き出した。新大関稀勢の里(25)=鳴戸=は豊真将を寄り切って勝ち越したが、琴欧洲は日馬富士との大関対決に敗れて2敗に後退した。日馬富士は7勝目。大関琴奨菊は5勝4敗と白星が先行した。9連勝の2人を追う1敗は稀勢の里だけとなった。十両は千代大龍と阿夢露の新十両2人が8勝1敗で並んだ。

 かつて4連敗を喫するなど対戦成績は5勝5敗の五分。稀勢の里にとって“難敵”豊真将は低い姿勢で飛び込んでくるのが特徴。機先を制するため右で張って上体を起こし、左四つになると一気に前へ。盤石の形で寄り切って大関昇進場所の9日目でうれしい勝ち越し決定だ。

 「起こして前へ、と。思い切って、差しても押しても、もっと前へ出ようと思っていた」

 以前、強引に突いて引かれ、墓穴を掘った苦い経験がある。だからこそ記憶のページをめくり返し「負けた相撲は覚えている。無駄な負け方はしたくない」と稀勢の里。最近3場所は、自分のスタイルを貫いて3連勝。しっかりと対策を練った成果を強調する。

 突き押しを絶対的な武器とする稀勢の里が前日の隠岐の海戦では入門以来、初めて下手出し投げを繰り出した。この日の朝稽古後に「褒められた技じゃない。相手の調子が良ければ付いてこられた」と不満を漏らした。反省を生かし、すかさず修正。学習能力の高さも最近の大関の特徴となっている。

 横綱白鵬、大関把瑠都を「1」差で追い掛ける形で新大関での勝ち越し決定に「とりあえずうれしい」としながらも「いっぱい、いっぱい」とつぶやく。ただ、上回るのは大関としてのプライドと責任感。「まだまだいける気持ちがある。ホッとしていられない」

 10日目から始まる上位戦。まずは6連敗中のライバル琴奨菊が相手。「悔しい思いをしないようにしっかり準備したい。また集中です」。さらなる高みを目指すため、もう同じ相手に何度も負けられない。 (竹尾和久)

 

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