直志慌てない慌てない

　名古屋グランパスのＭＦ中村直志（３２）が故障からの完全復活を誓った。昨年は８月に左膝側副靱帯（じんたい）損傷で約１カ月間戦線離脱。シーズン終盤は痛みを抱えながらのプレーをしいられた。今オフは激しいトレーニングを控え、左膝の回復に専念。万全のコンディションでチームを優勝に導く。

　我慢のオフを過ごしている。２月９日のキャンプインまであと３週間あまり。例年なら少しずつ体を動かし始める時期だが、中村はあえて“充電”に集中している。「ケガがあるので今はそう動けない。キャンプから慎重に上げていこうと思っています」と自分に言い聞かせるように語った。

　昨季はリーグで２７試合に出場したものの、内実は“自転車操業”。左膝の痛みと付き合い、「だましだまし」試合に出続けていた。「ケガが長引き、コンディションはいい状態とは言えなかった」と中村は振り返る。優勝を逃し、満足できない形でシーズンを終えた。

　グランパス一筋で１２年目。若かりしころはやみくもに突っ走った時期もあったが、今は違う。「昔は無理をして失敗したこともある。大事なのは一年間通してチームに貢献すること」。自分の体と相談し、練習をコントロールするすべを身につけた。

　現在の左膝の状態は、休養の効果で「だいぶよくなっている」という。１５日に愛知県日進市内で行われたサッカー教室では、子どもたちと一緒になってボールを追いかけた。

　「今年の目標はとにかく優勝。いいサッカーをして勝つ。そのために、任された役割をしっかり果たしたい」

　グランパスに不可欠な中盤の要。開幕に向けて中村の状態が１００％に近づけば、見通しは明るい。　（木村尚公）