重篤な症状の子どもを診療する「県立小児医療センター」(さいたま市岩槻区)をさいたま新都心地区に移す計画に、賛否の声が上がっている。
県は「さいたま赤十字病院」も同地区に移すことで、未熟児や命に関わる症状の赤ちゃんを専門的に診察する「NICU」を増床し、周産期医療の充実を目指す。
移転反対の声を上げた、蓮田市に住む女性(34)は、娘(4)を緊急帝王切開で生み、心肺停止状態だったが一命を取り留めた。周産期医療の大切さは実感している。娘は、今も大人2人の付き添いで、月に5回程度リハビリが欠かせない。移転すると長距離移動を強いられ命に関わると不安がる。
安心できるお産、子どもの命を守りたい、同じ命を守りたいという思いがぶつかる。移転をせずにNICUを増やせないか。考える時間は残っている。【西田真季子】
毎日新聞 2012年1月17日 地方版