タイ洪水:首相が都心「安全宣言」…北・西部は依然浸水

2011年11月19日 19時54分 更新:11月19日 23時8分

周辺の浸水による休業から再開後初の週末、市民でにぎわう大型商業施設=バンコク市内で2011年11月19日、鵜塚健撮影
周辺の浸水による休業から再開後初の週末、市民でにぎわう大型商業施設=バンコク市内で2011年11月19日、鵜塚健撮影

 【バンコク鵜塚健】タイのインラック首相は19日、滞在先のインドネシア・バリ島で、「バンコク中心部が浸水する恐れはなくなった」と語り、都心部について事実上の「安全宣言」を出した。死者594人(18日現在)を出し、商工業や観光に大きな影響を与えた大洪水だが、首都機能がまひする最悪の事態は避けられた模様だ。

 バンコク郊外に設置した土のうによる大規模な「防御壁」と運河による排水が機能し、都心部周辺の繁華街や住宅地では水が引き始めている。一時休業していた大型商業施設や市場なども再開し、にぎわいを取り戻してきた。地元紙バンコク・ポスト(電子版)によると、首相は「今後、速やかに被災住民、産業の復興に取り組む」と語った。

 しかし、バンコク北部や西部では依然深刻な浸水が続いている。特に「都心防衛」のために大量の水がせき止められた形の防御壁の北側の住民は、水没状態が解消されないことに不満を高め、「壁」の撤去を要求。これに対し、地元当局や南側の住民は水の流入を恐れて拒否し、一部で衝突も起こっている。

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