IAEA:対イラン決議案 核兵器開発疑惑に「深い懸念」

2011年11月18日 15時0分

 【ウィーン樋口直樹】国連安保理常任理事国(米英仏中露)にドイツを加えた6カ国は17日夕、国際原子力機関(IAEA)の定例理事会に対イラン決議案を提出した。毎日新聞が入手した決議案は、イランの核兵器開発疑惑に「深く募る懸念」を表明し、IAEAとの「対話の強化」で緊急に解明を図るよう求めている。天野之弥IAEA事務局長が来年3月の理事会で決議の履行状況を報告する。決議案は18日に採択される見通しとなった。

 対イラン国連制裁の強化に向けた安保理付託は見送られたが、ロシアと中国を含む6カ国が足並みをそろえることで、核兵器開発疑惑の解明に向けた国際社会の「一致した強い決意」(西側外交筋)が演出される。IAEAは近く、イランに「高官級調査団」を派遣する考えだが、イランの対応ぶりを示す来年3月の事務局長報告次第で、再び緊張が高まる可能性もある。

 決議案ではイランに対する欧米の強い懸念が表明されたが、直接的な非難は盛り込まれなかった。むしろ、6カ国の「全体目標」とされてきた「段階的なアプローチ」に基づく「包括的な交渉」や「長期的な解決策」への支持が改めて表明されるなど、欧米と中露が歩み寄りやすい内容となった。ロシアと中国は、欧米の機密情報などを根拠にイランが核兵器開発を続けてきた可能性を強く示唆した天野氏の最新報告に反発していた。

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