裁判員裁判:初の全面無罪 高裁「逆転」見直しか 最高裁

2011年11月18日 12時45分 更新:11月18日 16時48分

 覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の罪に問われて裁判員裁判で初の全面無罪となったが、2審で逆転有罪判決を受けた相模原市、会社役員、安西喜久夫被告(61)の上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は弁論期日を来年1月19日に指定した。最高裁は2審判決を見直す場合に弁論を開くため、高裁判決が破棄される可能性が出てきた。

 安西被告は覚醒剤計約1キロの入ったチョコレート缶を成田空港に持ち込んだとして起訴された。缶の中身を認識していたかどうかが争点となり、1審・千葉地裁判決(10年6月)は「間違いなく認識していたとまでは言えない」として無罪。2審・東京高裁判決(今年3月)は「1審は証拠の評価を誤り、事実を誤認した」と懲役10年、罰金600万円を言い渡した。裁判員裁判の無罪を破棄して有罪とした高裁判決も初めてだった。

 最高裁司法研修所は09年3月の研究報告で裁判員裁判の控訴審について、「客観的な事実を見落としている場合などを除き、市民の判断を尊重すべきだ」としており、安西被告への上告審判断が注目される。【石川淳一】

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