国会が設置した東京電力福島第1原発事故の調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)は16日、国会近くの憲政記念館で第2回会合を開いた。政府事故調の畑村洋太郎委員長(東大名誉教授)が昨年末公表した中間報告書の内容を説明し、「(政府や東電の)責任追及は目的としない」と強調。黒川氏は同日報道陣に配った文書で「責任の所在を明らかにしつつ、真相究明を行うことが重要」とし、両事故調の姿勢の違いが浮き彫りになった。
畑村氏は中間報告の自己採点を問われ「90~95点」と回答。しかし国会事故調の委員は「地震・津波と原発事故の複合災害のおそれを関係者がなぜ無視してきたか、中間報告は(内容が)薄い」と指摘した。
畑村氏は「事実の積み重ねからやっており、そこまでまだ行っていない」と答えるにとどまった。黒川氏は会合後の記者会見で「政府事故調とどう差別化できるか議論している」と述べ、菅直人前首相らへの公開聴取も「検討事項に入っている」と語った。
国会事故調は同日、東電と文部科学省からもそれぞれの中間報告について説明と質疑を行った。【笈田直樹】
毎日新聞 2012年1月16日 22時45分(最終更新 1月16日 23時07分)