評価され始めた韓国製品、対日貿易赤字が減少

■大地震と円高も背景

 対日貿易赤字が縮小した背景には、東日本巨大地震と円高の影響もある。昨年3月11日の東日本巨大地震では、石油精製施設が大きな被害を受け、日本への石油製品の輸出が130%増えた。石油製品の輸出は対日輸出の5分の1を占めた。これは地震で「漁夫の利」を得たというよりも、韓国企業の対日輸出競争力が強まったことが真の理由だ。10年に対日貿易収支が赤字だった機械類で黒字転換を果たしたのが代表例だ。特に空気調節冷暖房機器、音響機器、照明機器は10年ぶりの黒字となった。

 大地震が日本の企業、消費者に韓国製品に対する新たなイメージを持たせる契機となった側面もある。LG経済研究院のイ・ジピョン博士は「世界的に認められている韓国製のスマートフォン、液晶ディスプレーなどは、日本企業がもたつく間に複雑な日本市場に参入を果たし、日本の消費者が韓国製品を認め始めた」と指摘した。

 09年から続く円高も日本企業が韓国製品に目を向けたり、韓国に工場を建設したりする契機となり、対日貿易赤字減少の原因となった。

■部品・素材には依然弱点

 対日貿易赤字の改善にもかかわらず、韓国の部品・素材分野は依然弱い。昨年1-11月の部品・素材の対日貿易赤字は207億ドルで、赤字全体の78.5%を占めた。赤字幅は前年を13億ドル下回ったが、他業種の改善幅には及ばなかった。また、対日輸入に占める部品・素材の割合は依然として60%に達している。

 国際貿易研究院のパク・キイム首席研究員は「日本の地震による供給不安と円高による輸入価格上昇があっても、部品・素材だけは日本への依存度を軽減できずにいる」と分析した。

全洙竜(チョン・スヨン)記者 , 金垠廷(キム・ウンジョン)記者
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