が放映されました。かなり練り込んだ番組だと思われます。ニュースでの報道と随分と異なり、放射能の被害をきっちりと抑えている気がします。
NHKスペシャル「シリーズ原発危機」知られざる放射能汚染〜海からの緊急報告〜から
おそらくすぐに消されるでしょうから、途中の画面で気になったところを書き抜きます。
まず、福島県沖20キロ地点で
事故前は、0.03-0.04 それが 0.07
この値は、現在の熊本(0.09-0.12)よりも低いです。
そして、事故当初の原子力安全保安院の会見
海とか海草などの海洋生物に取り込まれるまでには相当程度薄まると考えられる。・・これがウソなのは、まともな科学者なら全員知っています。
そう言えば、こんなスライドを産業医科大学は作っていました。
この番組を見て、一体どういう評価をするんでしょうか。
この海で漁をしていた漁師が
「これはごみだべ。ゴミにしかなんねぇべ。ねこもくえねえし、こんなもの」
と語っていたのが、本当に印象的です。そして、この次、驚くべき発言をしています。
漁師から、いつ頃になったら漁が再開できるのかという質問に対して、
少なくともチェルノブイリで2−3年かかったからここも同じくらいか、でも出た量がもっと多いんでもっとかかるかもしれない
ついに本当の話が出ました。チェルノブイリよりも放出量ははるかに多いのです。ツイッターからの情報ですが、次のような情報
http://twitter.com/#!/dr_chasiba/status/154406601736982528
@dr_chasiba 放射線取扱主任者定期講習会(法定義務のもの)での講義では放射性物質の放出量がチェルノブイリを超えたのでレベル7以上と評価されたと専門家集団の前で説明があった。文科省が義務化している講習会での話なので文科省の公式見解と理解すべきでしょう。
posted at 2012.01.04 12:41:20
放出量の訂正はあったのでしょうか。私は最近あまりニュースを見ていないので、訂正発表がもしかしたらあったのかもしれませんが・・
そして、ひどいのは2−3年で漁ができるようになるかもしれないという返答。チェルノブイリはもう25年経っています。あのまわりで何か農産物が取れたとして、日本人が買いますか?それが答えです。もちろん、漁師の方もわかっていて、
このままでは絶対収束しない。これでおちつくなんてことはまずねぇから
といわれます。
群馬県のワカサギで紹介しましたが、8月の時点ですでに暫定規制値を超えています。そして、この地域
0.17μSv/hrで汚染はそれほどひどくないといっていますが、この値は立派な高汚染です。そこの湖が放射能が高くなるのは当たり前です。311以前なら、こんなごまかしが通用したとは思いますが、視聴者はもう騙されないでしょう。
そして、恐ろしいのは、チェルノブイリの汚染推移
30年近く経っているのに、捕食魚はいまだに10,000Bq/kgという高レベルの放射能に汚染されてしまっています。なぜ、これが2−3年でどうにかなるというのでしょうか。そして、この除染など不可能なのは、議論の余地はありません。いくら、生活に必要であってもそんな人間側の事情は一切考慮しないのが、放射能なんですから。
そして、
福島第一原発の事故というのは世界で初めて大都市圏が放射能汚染を受けたという経験
とおそろしいことをさらりと言ってのけています。その通りなんです。何千万も人が住む場所で、こんなにも放射能汚染を受けてしまったのは、世界で初めてなんです。それを理解しているでしょうか。

そして、この図は、どれだけ河川が汚染されているかを示しています。
たったの1623Bq/kgですよ。これでも大変な汚染なのに、環境省は、1000Bq/kgの汚泥をコンクリートに用いても、何の影響もないから、セメント業界にどんどん受け入れろと押しつけています。
そして、東京湾の汚染がもっともひどくなるのは、2年半後
ガレキを首都圏で燃やして、その灰を東京湾に埋め、さらには放射能の灰が河川から東京湾内に流れ込む。このような都市で、2020年にオリンピックを招致できると本気で考えているんでしょうか。
◆関連ブログ
セシウムは日本全国に降り注いだ2011年08月30日
2福島 新築マンションで高放射線量012年01月15日
タグ:P