福島県 転居意向調査を実施へ
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福島県 転居意向調査を実施へ

1月17日 4時26分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

福島県二本松市の新築の賃貸マンションの室内で高い放射線量が測定された問題で、福島県は、原発事故の影響で避難している人などマンションの住民の支援に乗り出すことになり、近く、転居に関する意向を個別に聞く方針を決めました。

この問題は、福島県二本松市の新築マンションの1階の室内で、1時間当たり最大で1.24マイクロシーベルトと、付近の屋外より高い放射線量が測定されたもので、床下の基礎工事のコンクリートに計画的避難区域に指定されている浪江町の砕石場で採れた石が使われていました。このマンションには12世帯30人が生活していて、このうち10世帯は、原発事故の影響で浪江町や南相馬市から避難し、県が借り上げた部屋で生活している人たちです。住民の間からは放射線に対する不安の声が相次いでいることから、福島県は、住民の支援に乗り出すことになり、近く、ほかの場所への転居などについてすべての住民から個別に意向を聞く方針を決めました。意向の確認は、住民たちがもともと住んでいた自治体を通じて行うことにしています。福島県は、住民が転居を希望した場合は、移転先の住居のあっせんや、移転した場合の生活支援などについても検討したいとしています。このマンションの1階に住む20代の男性が、NHKの取材に応じ、「室内でこれほど値が高いことに驚いた。住んでいた5か月間でどれくらい被ばくしたのか不安だ」と語りました。男性は去年の8月、勤め先から近いこの新築マンションに、賃貸契約で入居し、1人暮らしをしています。男性のもとには、先月下旬と今月上旬の2回、二本松市の職員らが訪れて放射線量を測定したということです。その結果、床から1メートルの高さで1時間当たり最大でおよそ1.2マイクロシーベルトの放射線量が測定されたということです。男性は「職場から近く、新築だったため、放射線を気にする必要はないと思い、ここに引っ越して来ました。しかし、放射線量が外よりも高いところがあり、室内でこんなにも高いのかと驚きました。5か月住んでいる間に自分がどのくらい被ばくしているのか不安です。今後こういうことはあってほしくないと思います」と語りました。