『ラストエグザイル-銀翼のファム-』に出演される声優のみなさまからインタビュー形式で本作に関するコメントをいただきました。毎週更新予定ですのでご期待ください。なお、各記事は最新2回分のみ(通常2週間)の掲載となりますので、お見逃しにご注意ください。
- サーラ役:伊藤かな恵さんへのインタビュー公開日 2012/01/06
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「LASTEXILE」をひと言で表すと?
伊藤 「複雑なお話」だなと思いました。私はサーラを演じているので、連邦側の気持ちに近いのですが、ほかの人達からすればどこが悪者に見えるのか。私もときどき誰が正しいのかわからなくなるし、すごく複雑な気持ちがします。みんなが正しいことを言っていて、中にはその思いが強すぎて間違っている方向に行く人もいる。いろいろな気持ちが絡まり合っているお話だと思います。作品の世界観では、ヴァンシップがすごく魅力的に見えて、夢が詰まっていると感じました。『銀翼のファム』ではサーラ以外にジゼルの末っ子の妹のアデルも演じているので、最初のころのお話で家族がワイワイしているのがすごく好きでした。ちょっと空族にも憧れちゃいます(笑)。
サーラをはじめて見た時の印象は?
伊藤 オーディションの時に彼女を知ったのですが、「子供なのにすごく難しいことを言う子だな」というのが第一印象です。「人の上に立たなきゃいけないから、みんなの気持ちをわかってあげたい」と考える優しい子なんだなと思いました。一方で、すごく自分を抑えて常に控えめで、わからないことは周りに聞いて学ぼうとうする気持ちが強い子だと思います。カイヴァーンに肩車をしてもらう時も確認をとってからだったので、もうちょっと自由に子供らしくさせてあげたいと思いました。
監督からサーラについてどんな説明があったのでしょう?
伊藤 真っ直ぐな子で、皇帝という立場について無理をしているというよりは背伸びをしてがんばっているような姿で、と説明がありました。第7話の演説シーンでは、書面自体は周りの人に書いてもらっているのですが、「何度も読んで理解し、自分の言葉として飲み込んで読んでいるように演技してください」と言われましたね。それだけ自覚が強い女の子であり、やっぱり皇帝なんですよね。
第11話ではサーラの過去も描かれましたが、いかがでしたか?
伊藤 あのお話があったからこそ、サーラにとってヴァサントの存在はより近いものになりました。サーラががんばろうとする思いは、ファムのグラン・レースにかける思いに近いのかなと。過去の話を知ることで、どんな思いでそれぞれがつながったのかがわかるようになりました。いろいろな人の思いが良いように重なる部分もあれば、悪く重なってしあうこともあるんだとすごく感じました。それは言葉の壁についても同じだと思います。私も兼役でグラキエス語(収録はロシア語)をしゃべっているので、言葉がわからなくて困るファムの気持ちはよくわかります(笑)。お手本を聞いても日本語にはない発音があるので、何度も聞いて絵を見て文章を読んで、こういうことを言いたいんだという気持ちをつかむことを大切にしようとしました。
ヴァサントとサーラの関係性はどのように思いますか?
伊藤 ヴァサントは常にサーラのそばにいて、どういう風にふるまうのかを教えてくれるお姉さんという感じですね。
最も信頼している人物のような?
伊藤 サーラからすると、みんなを信用しているんだと思います。みんな、平和になるために動いているのに、なんで喧嘩をするのだろうという疑問があり、それは「やっぱり自分が年齢的にも頼りないからだ」と思ってしまっていて。だからこそもっとがんばって勉強して、みんなを平和な道に導かなければと考えているだと思います。グラン・レースでの事件のことをどこまで聞いているかはわからないですが、お母様であるファラフナーズはみんなが平和で笑っていられる空間を作ったというのは聞いていると思います。
たとえば10年後、サーラはどうなっていると思いますか?
伊藤 すごく美人になっていると思います(笑)。私の理想は立派な皇帝陛下で、賢くて優しい人物。10歳でこれだけがんばって、どうにかしようと思う環境にいるので、人の痛みがさらにわかる人物になっているのかなと。「みんなに美味しい食事を」という言葉が出てくるので、目指しているところはいい麦がたくさん収穫できて、国民みんなが笑顔になれる国だと思います。
次回はディアン役のゆかなさんです。メッセージをお願いします。
伊藤 ゆかなさんは綺麗で、ちょっとした仕草がすっごく可愛い方なんですよ。毎回、すべてロシア語ですぐに対応できるゆかなさんってホントにすごいなって思います!
- ヴァサント役:折笠富美子さんへのインタビュー公開日 2011/12/30
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「LASTEXILE」を一言で表すと?
折笠 「正義」……かな。やり方が違うだけで、みんな幸せになることを考えている。誰が悪いとひと言では言えないのがむしろ「正義」を表している気がしますし、そこがすごく丁寧に描かれている作品だと感じました。美しいファンタジーなのですが、それだけではなく物語中に影があったりもする。そこがすごくステキなんですよね。ファムが「みんなが笑顔になる世界」と希望を代弁してくれていますが、この物語の歴史の中で多くの血や涙が流れた話も語られます。生きていることについて、直接的に描かずとも心が熱くなるような描写を感じます。
ヴァサントへの役の向かい方は?
折笠 監督から最初の説明はザックリと「過去に色々あった人で、成り上がった人なんです」だけでした(笑)。だから何を考えている人なのか――悪い人かもしれないし、善い人かもしれない――と役に対しての向き合い方に悩みましたね。最初に登場した回はサーラに忠誠を誓っているのか利用する人間なのか、後でどちらに転んでも大丈夫なように優しい雰囲気を持ちつつキリっとした雰囲気もあるというように大切に演じてみました。
第7話では母性的な人物像が特徴的でした。
折笠 このキャストの中で自分は年齢的にも高い方になっているので、そのあたりを踏まえてキャスティングされたのかしら。千明監督は他の作品でお世話になった際に、キリッとした女性というイメージを持たれているようなのですが、私自身はけっこうあわてんぼなので、いつも緊張しています(笑)。
そのキャスティングですが、当初ヴァサントは男性だったそうですが、折笠さんの声をオーディションで聞いて女性に変更されたそうですよ。
折笠 そうなんですか! それは初めて聞きました。衝撃の事実……(笑)。やはりすごく嬉しいですし、それを聞くと男性から替わって女性になった意味を考え、自分なりに演じられたらと思いますね。
お芝居をする時に心がけている点はありますか?
折笠 ほかの将軍がしゃべっている時などヴァサントは微妙な表情変化があって、他の人とは違うことを考えている姿が垣間見えるので、そこを大切に演じました。自分を押し殺すのと、押し殺せない心のヒダ、自分なりの正義を持った女性という印象です。少しずつ回を重ねていくと思いが見え隠れしてきて、過去の話が描かれた回で彼女の持つ正義に確信が持てました。ヴァサントにとってはエピソード・ゼロとも言うべき部分で、それを演じたことで先の芝居のポイントや光が見えた感じがしました。
そのポイントを敢えて言葉にすると?
折笠 過去の話がわかったからこそ、サーラに対しての思いは今まで以上に深くなりました。
監督とは芝居についてどんなお話を?
折笠 キャラクターの設定として「青くさくはない人間だけど、ちょっと危うさがあってもいいかな」というお話をされました。人間味という部分かなと考えています。
ご自身の演技で特に心がけているのは?
折笠 軍人としてのポジションと人間としての気持ちですね。サーラに対しての接し方はとても気をつけて演じています。子供だけど国のトップ。子供扱いしてはいけないし、母みたいな思いはあるけど母親でない。彼女に対しての色々な思いを踏まえたうえでお芝居をしています。
次回のインタビューはサーラ役の伊藤かな恵さんです。メッセージをお願いします。
折笠 伊藤さんご自身もちっちゃくて可愛いので、笑いかけてくれるとほっこりと幸せな気持ちになります。これって私とヴァサントが重なっているからかしら(笑)。これからもお守りいたします!