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女性のギャンブル依存症の解決策を一緒に模索、保土ケ谷のリハビリ施設「ヌジュミ」/横浜

2012年1月15日

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 借金を重ね、生活に困窮しても、賭け事をやめられない―。病的賭博とも呼ばれる病気の一つ「ギャンブル依存症」。中でも女性は周囲の目を気にし、治療に二の足を踏んでしまうケースがある。そんな女性に手を差し伸べているのが、女性専用のリハビリ施設としては全国唯一という「ヌジュミ」(横浜市保土ケ谷区)。活動5年目の施設を訪ねた。

 「お金もなくなり、迷惑を掛け、家族や友達を裏切った」。若い女性が涙を流しながら話し始めた。

 通所者とスタッフのミーティング。約1時間、依存経験や悩みを打ち明け、解決方法を一緒に模索する。ミーティングを中心とした回復プログラムを行う施設として、2007年4月に開所した。

 施設長の田上啓子さん(62)も、20年前までギャンブル依存症だった。結婚生活がうまくいかず、パチンコとポーカーにはまった。約10年、借金して費やしたお金はおよそ2千万円。自殺未遂を3回、精神科病院への入退院を5回繰り返した。

 回復後、都内の依存症者向けサポートセンターで、ギャンブル依存症の相談ボランティアを経験。「依存症だった自分だからこそ、できることがあるのではないか」と女性専用のリハビリ施設を立ち上げた。

 昨秋には精神障害者の通所施設として、市の地域活動支援センターに指定された。原則日曜日以外毎日通所するデイケアで、現在20~50代の主婦ら約15人が利用している。

■■■

 田上さんによると、ストレス解消や暇つぶしなどから依存症に陥るケースもあるという。

 ヌジュミは依存症のチェックも行う。例えば(1)勝っていても負けていても、またもっと勝ちたいという強い欲求を感じるか(2)ギャンブルなどのために不眠になるか―などの10項目。三つ以上当てはまると問題がある。ただ特効薬はなく、根気よくカウンセリングを中心とした治療を受けることが必要だ。

 スタッフ女性(33)も依存症から立ち直った1人。19歳でパチンコ依存症になった。父親の会社が倒産し、「一日中何も考えなくて済む」とパチンコ台の前に朝から晩まで座っていた。消費者金融7社から借金した末に、20代で自己破産。09年に両親の車に乗せられて県外から来所した。

 賭け事で紛らわしてきた不安は、同じ立場の通所者と共有することで解消した。「本音で話せるのはここだけ」。ヌジュミに来てからはパチンコは一度もやっていない。

■■■

 厚生労働省研究班の調査(09年)では、男性の9・6%、女性の1・4%がギャンブル依存症と推計される。

 男性に比べて女性は少ないが、ヌジュミの通所者が依存症になってから治療を始めるまでには平均約10年かかっている。「女がギャンブルなんて恥ずかしい」と長期間、誰にも相談できないケースは多い。「やめたいという意志があれば治療で回復し、社会復帰もできる」と田上さん。「本人や家族だけで苦しまず、相談してほしい」と訴える。

 利用は無料。問い合わせ・相談は同施設電話045(744)6516。


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この記事へのコメント

コージータハラ [2012/1/16 20:07]  編集する
ギャンブル依存症は想像以上に深刻だ。
根絶には対象者のケアも必要だが、社会悪の名の下に正当化されているパチンコなどの営業規制が最重要だ。
タバコ規制も対象外になっているパチンコ業界には、多数の警察OBが天下ってもいる。今や全ての駅周辺にパチンコがある。
日影の人々に光を当てると主張した民主党に唯一期待するのは、こうした社会悪の規制強化である。

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