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【社会】

耐寒訓練 「白梅精神」で50年 台東・忍岡中

2012年1月17日 11時08分

 上野恩賜公園に隣接する東京都台東区立忍岡中学校(小寺正樹校長)で16日、今年で50年を迎えた恒例の耐寒訓練が始まった。この日から6日間、全校生徒499人が授業前の早朝に、マラソン、柔道、剣道のいずれかに取り組む。同校によると、都内の公立中で数日間にわたる耐寒訓練を実施しているのは同校のみだ。 (丹治早智子)

 同校の校訓は「白梅精神」。JR山手線鶯谷(うぐいすだに)駅のすぐ南にあり、かつて周辺は多数のウグイスが生息する「鶯の里」と呼ばれ、現在も白梅が多いことに由来する。校歌の一節に「寒苦に耐えて咲く白梅」とあるように、いつか花開くために冬季に心身を鍛えようと、一九六三年から耐寒訓練が始まった。

 生徒は三種目いずれかを選んで取り組む。この日、最も多い三百九十五人が参加したマラソンは午前七時すぎ、上野公園噴水広場前をスタート。園内を男子は四周(約四・八キロ)、女子は三周(三・六キロ)走った。

 三年生として終始、下級生をリードした宮内紗衣さん(15)は「寒いし、きついし、最初はすごくつらかった。でも、三年間続けられた充実感は最高。この伝統を後輩たちにもぜひ、受け継いでほしい」と白い息を吐きながら、声を弾ませた。

 同校体育館で行われた柔道、剣道の稽古には毎年、地域の有段者が多数、協力している。この日も同校出身で全日本剣道連盟専務理事の福本修二さんらが指導に当たった。

 「保護者やOB、地域の支えがあってこその五十年。感謝とともに、今年もこれから一週間、生徒たちの成長が楽しみ」と小寺校長。最終日の二十三日には五十年の記念式典、納会試合がある。

(東京新聞)

 

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