再選を果たした泊村の牧野浩臣村長は毎日新聞の取材に対し、定期検査で停止中の泊原発1、2号機の再稼働について「安全性が確認されれば、早期に求めたい」と容認する考えを示した。一問一答は次の通り。
--福島第1原発事故をどう思う。
◆未曽有の地震と津波の影響で、想定外の原発事故になり、立地村として誠に残念。想定外の自然災害があったとしても、事故を起こさない仕組みの原発にしなければならない。安全対策強化を望んでいる。
--定期検査中の泊原発1、2号機の再稼働は何を基準に是非を判断する。
◆(再稼働は)国の進めているストレステストを基準として、国の判断で決められる。これに基づいて、安全運転ができるのであれば、道と協議の上、再稼働を容認していきたい。
--昨年は泊原発3号機プルサーマル計画を巡る「やらせ」もあり、同計画の是非も問われた。
◆やらせを起こした北海道電力と道庁には、今後このようなことがないようにしてほしい。MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を装荷して、炉心に異常があれば問題だが、現状では四国、九州電力で実際に使用され、安全性が実証されている。計画には賛成だ。
--地元4町村と道、北電が結ぶ安全協定について、拡大を求める意見がある。
◆(4町村以外の)周辺町村に確認しているが、現在のところ、安全協定拡大の要望はない。(各町村が)望んでいるのは、原発に関する多様な情報の共有だ。
--国の交付金など“原発マネー”も先細る中、村の財政健全化をどう図る。
◆泊村は90年度からこれまで(地方交付税を受け取らない)不交付団体となっている。今後は2030年ごろまで、今の財政状況が続く。毎年の予算執行で計画的に積み立て予算を計上していく。
--村の将来像をどう描く。
◆希望に満ちた活力ある村作りを基本理念に、「住んでみたい、住んで良かった」と言われる村にしたい。基幹産業の振興や商工業の発展、福祉と医療サービスの向上などに取り組んでいく。
毎日新聞 2012年1月11日 地方版