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きょうのコラム「時鐘」 2012年1月17日
台湾が揺(ゆ)れた総統選(そうとうせん)に接して、場違(ばちが)いなことが浮かんだ。「3人旅の戒(いまし)め」なる話を聞いたことがある
旅先でラーメンを食べるかソバにするか。2人旅では、時にもめる。3人旅はすぐ決まる。2対1でラーメンなら、ソバ党も従うしかない。宿はホテルか旅館か、どんな旅のコースを選ぶか。多数決ですぐ決まる 少数派の1人は我慢(がまん)である。だから3人旅はやっかいだと言う。が、頼りになる味方が連れならば、思い通りにいくのも3人旅である。総統選は、対中国政策が大きな争いになったとか。あの大国との付き合いは、私たちも大いに悩んでいる。ならば「3人旅の戒め」に従って、もっと心強い仲間にしたい 北陸と台湾を強く結ぶ「ダムの父」八田技師の家族はかつて、小さな飛行機で現地に墓参(ぼさん)に出向いたという。機は羽田空港の隅(すみ)から出た。「国際便」扱いでないから成田ではない。「国内便」でもないから羽田で大きな顔はできない。そんな「冬の時代」もあった 複雑な外交の舞台と、われらが平凡な旅とでは、月とスッポン。だが、共通する大事なこともあるのではなかろうか。 |