卒業式などの日の丸掲揚や君が代斉唱の際に起立しなかった教職員らへの懲戒処分をめぐる裁判で、最高裁は「戒告処分は妥当」とする初めての判断を下しました。

 3件の裁判では、日の丸掲揚、君が代斉唱時に起立しなかった東京都の教職員ら約170人の処分をめぐり、違法かどうかなどが争われていました。2審の東京高裁では、戒告処分などをめぐる裁判で処分取り消しが認められる一方、停職処分をめぐる裁判では「処分は妥当」とする判決が出され、判断が分かれていました。16日の判決で最高裁は、戒告処分について「懲戒権者の裁量権の範囲内に属する」として「処分は妥当」と判断しました。一方、停職処分を受けた2人のうち、1人について「過去2年度で3回の不起立行為による懲戒処分を受けている理由だけで停職処分とした判断は、裁量権の範囲を超える」として、処分を取り消しました。式典の進行を妨害する行為を伴わず、過去の処分歴が少ない場合などに停職処分は違法とする初めての判断を示しました。

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