社会
「事情必要」君が代訴訟で最高裁が初の判断
(東京都)
東京都の公立学校の教員が国歌斉唱の際に起立しなかったことなどを理由に懲戒処分を受けたのは不当だとして処分の取り消しを求めた裁判で、最高裁は16日、「減給以上の処分を科すには慎重な考慮が必要」とする初めての判断を示した。
この裁判は、国歌の起立斉唱命令などに従わず、懲戒処分を受けた東京都の公立学校の教員約170人が、東京都教育委員会に対し、処分の取り消しを求めていたもの。
16日の判決で最高裁は、このようなケースで減給や停職処分が許されるには「処分の相当性を基礎づける具体的な事情が必要」との初めての判断を示し、停職や減給となった教員2人に対する処分を取り消した。
一方、過去に国旗掲揚を妨害したなどして5回の懲戒処分を受けていた別の教員に対する停職処分については、「処分が重すぎるとは言えない」として上告を退けた。
また、戒告については、「最も軽い戒告処分をすることが裁量権の逸脱とは言えない」との判断を示し、戒告処分を受けた教員の主張を退けた。[ 1/16 21:22 NEWS24]