◇初場所8日目(15日・両国国技館)
横綱白鵬(26)=宮城野=は高安をはたき込み、8連勝した。6場所連続で8日目に勝ち越すのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降では玉の海に並ぶ1位記録。
大関陣は把瑠都(27)=尾上=が北太樹を上手投げで退けて8戦全勝。稀勢の里は隠岐の海を、琴欧洲は関脇豊ノ島を下し、ともに1敗を守った。日馬富士は6勝目を挙げたが、琴奨菊は小結雅山にはたき込まれて4勝4敗となった。
白鵬と把瑠都を追う1敗は稀勢の里と琴欧洲の2人で変わらず。新十両の千代大龍(23)=九重=が8連勝で、ただ一人勝ち越しを決めた。
◆平成生まれ初対戦
猛然と前に出てくる平成生まれの高安を、はたき込みで土俵に沈めた白鵬。21歳の激しい突進を物語るかのように、鼻は赤く変色していたが「相撲を取ったという感じですね。一生懸命にきたんで、いいなと思いましたね」と受け流した。
これで昨年初場所から6場所連続での8日目勝ち越し。15日制となった1949年夏場所以降では玉の海(元横綱)と並ぶ史上1位タイ。8日目勝ち越しは21場所目。抜群の安定感を数字が証明してくれる。
平成生まれの力士との対戦は初めて。高安とも初顔だったが、「これからガンガン増えるんじゃないですかね」と意に介さず。「半分終わってここまで早いなっていう感じ」と気持ちも乗りに乗っている。
◆相撲史にも詳しい
相撲史に通じている横綱は、いきなり玉の海の名前を出されてもちゃんと応対できるところがすごい。「同じ右四つ。つったり、技が多いイメージ。同じ不知火だし。三段目のころお墓参りしたことがある」。玉の海は愛知県蒲郡市出身。名古屋場所のときに後援会関係者に連れられてお墓参りしたという。
今場所に臨むにあたり「正月が終わってすぐ」と時間的には余裕がなかったことをにおわせたが、それはほかの力士も同じ。そう言いながらも、3日は出羽海一門の連合稽古に参加した後、夕方から宮城野部屋の土俵で約2時間ほどしこやすり足の“自主トレ”で汗を流した。
要所要所をキチッと締めながら、横綱は22回目の優勝をかけて終盤戦に突入する。 (岸本隆)
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