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大型連休の日光、にぎわい戻る 誘客PRなどが奏功

(2011年5月10日 05:00)

 【日光】東日本大震災の影響で観光客減が懸念された春の大型連休。日光では誘客キャンペーンや県有料道路の無料化などが奏功し、「例年並みかそれ以上」(観光関係者)の観光客が訪れた。日光東照宮も4日の参拝者は今年最多の1万9千人だったという。ただ連休後の宿泊予約者数などは伸び悩んでおり、日光観光協会連合会は「これからが大切。気を抜かず元気な日光をPRしていく」と引き締めを図っている。

 東照宮によると、ゴールデンウイーク中(4月29日〜5月8日)の参拝者数は9万人弱に上り、前年比15%減にとどまった。99%減の日もあった3月下旬に比べると、急速に回復している。

 解体修理中の本堂を覆う素屋根内に設置した「展望見学通路」を29日にオープンさせた日光山輪王寺。約5千人がこの通路からの眺めを楽しむなど、境内は平常通りに。日光二荒山神社も、ほぼ例年並みのにぎわいを取り戻したという。

 また、道の駅湯西川を発着点に川治ダム湖などを回る水陸両用バスは期間中、乗車数が1519人と前年同期比で153人増えた。

 鬼怒川・川治温泉観光協会によると、両温泉の宿泊者数は例年並み。家族連れが目立ち、「春休みに計画していた旅行をこの時期にずらした結果ではないか」とみている。

 県によると、期間中に通行料を無料化した有料道路5路線のうち、日光宇都宮道路の利用台数は前年同期より47%増加。鬼怒川道路も163%と大幅に増加し、「無料化が観光客増の呼び水になった」と観光業者は口をそろえる。

 家族3人で訪れた埼玉県川口市、会社員佐別當宏友さん(36)は「風評被害に遭っていると知って、あえて旅行先を日光にした。思った以上に人が多い」と驚いていた。

 だが、この状態が連休後も継続するかは未知数。東照宮の担当者は「団体客や外国人が戻ってきた訳ではなく、回復は一過性のものになってしまうかも」と危惧する。連休後の宿泊者確保に苦戦している宿泊施設もある。

 このため、観光協会連合会では今後も県外などでの誘客キャンペーンに力を入れる方針だ。

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