地中海大型客船座礁・転覆事故 船の運航会社、船長の過失を認める声明発表
地中海クルーズ中の大型客船の座礁・転覆事故で15日、2人の遺体が発見され、死者は5人になった。現場で救出作業が続く中、船を運航する会社が日本時間16日午前、船長の過失を認める声明を発表した。
イタリア・ジリオ島の港から、傾いた「コスタ・コンコルディア号」を見ると、島に非常に近い場所で座礁したことが、はっきりとわかる。
レスキュー隊幹部は「船が岩場からずり落ちた場合、海の深くまで落ちるかもしれず、複雑で危険な作業だ」と話した。
座礁・転覆したコスタ・コンコルディア号。
生存者が救出される一方、死者は5人、行方不明者は現在15人となっている。
日本人の乗客は、全員無事が確認され、一部は16日にも帰国の途に就く予定。
日本人乗客は「死んじゃうかしらっていうような。タイタニックの事故の時みたいに、水がばーっと来た」と話した。
座礁した際、船内では日本語など各国語で、電気系統の故障とアナウンスが行われていた。
日本人の乗客は「(ボートに乗れず)4階に行ったら船が傾き、水面がそこまで来ていた」と話した。
船を運航する「コスタ・クロチエレ社」は15日、「沿岸に近づき過ぎて航行した」と、船長の過失を認める声明を発表した。
船長は、乗客を置き去りにしたまま脱出したとの批判に対し、身柄拘束される直前、反論していた。
フランチェスコ・スケッティーノ船長は「重圧の中、何が最良の選択か決定しなければならない。乗客のほぼ全員が救助されたと思う」と話していた。
捜査当局は、関係者から事情聴取を行うなど、事故原因の究明が続けられている。
(01/16 12:00)