京都地下鉄値上げ「14年度以降」 コトチカ好調で
京都市の門川大作市長は4日の記者会見で、地下鉄の運賃値上げについて、経営健全化計画で2013年度までに予定していた5%値上げを14年度以降に先送りする考えを明らかにした。地下鉄の乗客数や駅ナカ商業施設「コトチカ京都」の収入などが計画以上に伸びているためで、値上げの実施時期を延ばせると判断した。
市が09年度に策定した地下鉄の経営健全化計画では、13年度までに運賃を5%値上げし、年間11億円の増収を見込んでいた。
しかし、1日当たりの乗客数が昨年度に計画値(32万8千人)を上回る33万人に達し、本年度も昨年11月末で前年同期比3500人増となった。10年秋から四条駅、烏丸御池駅で相次いで開業したコトチカも好調で、今秋開業の京都駅を含めた賃料収入は、13年度までに目標額を2億円上回る7億円を見込んでいる。
さらに、市バス事業の累積資金不足額の解消が人件費削減などで2年前倒しで進んでいることから、市バス事業に毎年15億円程度支出していた補助金を一部削減し、地下鉄事業に振り向けることで値上げを回避する。
門川市長は「東日本大震災や円高などの社会経済状況で、市民に新たな負担をお願いするのは厳しい。値上げはどんなことがあっても避けたい」と述べた。ただ、14年度以降も値上げが避けられるかは不透明で「可能な限り先送りするのは当然。経営改善の要となる増客の取り組みを一層進める」と話した。
【 2012年01月05日 09時42分 】
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