韓国躍進、中国追撃、日本低迷=家電見本市CES

 「飛躍する韓国、躍動する中国、地をはう日本」

 米国ラスベガスで10日に開幕した世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」の会場では、サムスン電子とLG電子の展示ブースが来場客でごった返していた。55型の有機EL(OLED)テレビがお目当てだ。この製品は従来のテレビに比べ厚さが半分で、画面が鮮明なのが特徴で、次世代製品として注目を浴びている。

 朝日新聞は「これまでCESは日本企業がテレビの新製品を発表する場だったが、3-4年前から韓国企業による新製品発表の場へと変わった」と報じた。その上で「今年の話題の中心は韓国製のOLEDテレビだ」と指摘した。

 これに対し、ソニー、パナソニック、シャープなどの展示ブースは閑散としていた。これといった新製品がないためだ。朝日新聞は「ソニーなど日本の家電メーカーが世界のテレビ市場をリードしてきたが、今は韓国企業に対し劣勢に立っていることを否定できなくなった」と報じた。読売新聞も「ソニーがOLEDテレビをサンプル展示したが、サムスンとLGは年内に発売予定だ」として、韓国企業が優位に立っていると伝えた。

 韓国企業は、日本企業よりも中国企業に神経を使うようになった。今も中国企業は韓国企業をまねた製品を作っているが、これまでとは明らかに状況が異なる。中国企業はある意味、スピード面で世界最速を自負する韓国企業よりも対応が速い。サムスン電子の崔志成(チェ・ジソン)副会長は「われわれがCESに新製品を出品すると、中国のテレビメーカーの海信(ハイセンス)がそれをまねて、われわれより先に発売する」と話した。サムスン電子は今回、動作認識機能を持ったテレビを発表したが、ハイセンスの展示ブースにも似た製品が並んでいる。

 中国の通信設備メーカー、華為技術は世界で最も薄いスマートフォンを発表した。「アセンドP1S」という商品名の同製品は厚さが6.68ミリ。これまで業界最薄だった米国モトローラの製品(7.1ミリ)よりも薄い。アセンドはグーグルの最新基本ソフト(OS)である「アンドロイド4.0」を採用した製品だ。ディスプレーにはサムスン電子のギャラクシーシリーズと同じスーパーAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)を搭載している。華為はこの製品で、「安物携帯メーカー」というイメージをきれいに払拭(ふっしょく)した。

 中国の海爾(ハイアール)は、思い浮かべるだけでチャンネルが変えられるという「ブレーン・ウエーブ・テレビ」を展示した。同製品は人間の脳波を分析し、チャンネルを変える機能を備えている。ヘルメットを着用し、頭で1チャンネルが見たいと思えば、テレビが自動的に1チャンネルを選択するといった具合だ。まだ製品化するには技術の完成度は劣る。しかし、中国企業が先端メーカーも開発できない新技術にチャレンジしていることを示している。LG電子のキム・ヒョンジン・テレビ商品企画部長は「日本企業が展示した製品に目立ったものはなく、中国企業には新たな試みが見られる」と指摘した。

ラスベガス= 白剛寧(ペク・カンニョン)記者
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