パナソニックやシャープ、ソニーなど日本の大手テレビメーカーが、LG電子と同じ方式の3D(立体)テレビを生産するもようだ。これらメーカーはこれまで、サムスン電子と同じ方式のテレビだけを生産してきたが、市場拡大を目指し、両社の技術を採用するという。LG電子の権喜遠(クォン・ヒウォン)社長は11日、米国ラスベガスで開催されている世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で記者懇談会を開き「世界第4位のテレビメーカーのパナソニックが、LG電子と同じ方式の3DテレビをCESに出展した」と語った。
3D映像を具現する方式は、サムスンが採用するシャッター眼鏡(SG)方式とLGのフィルムパターン偏光(FPR)方式の2種類に分けられる。SG方式は、映像を両目に交互に見せることで錯視現象を引き起こし、平面のテレビ画面を立体的に見せるもの。一方、FPR方式は両目に同時に別の画面を見せ、立体感を実現する。
米国の市場調査会社NPDによると、昨年11月の北米の3Dテレビシェアは、サムスンが39%、LGが32%だった。昨年5月の時点では、サムスンとLGのシェアには45ポイントの開きがあったが、LGが急激に追い上げている状況だ。LGは昨年4月、FPR方式を採用した「シネマ3Dスマートテレビ」を米国市場で発売し、ソニー(シェア14%)を制して業界2位に浮上した。
一方、FPRパネルを独占生産するLGディスプレー側も、ソニーとシャープに試作用のFPRパネルを供給したことを明らかにした。FPR方式のテレビ生産コストは、SG方式のテレビに比べ10%以上安い。先ごろ大幅な赤字を計上した日本のテレビメーカーは、FPR方式を導入することで製品価格を抑え、販売を伸ばしたい考えだ。世界第3位のテレビメーカーのソニーは、今年6月にサムスンとの長期納品契約が終わり次第、下半期からFPR方式のテレビを生産するという。