週明けの16日の東京外国為替市場は、大手格付け会社がユーロ圏の9か国の国債の格付けを一斉に引き下げたことを受けて、ユーロを売って円を買う動きが強まり、円相場は一時、1ユーロ=97円4銭をつけて、およそ11年ぶりの円高ユーロ安水準を更新しました。
週明けの16日の東京外国為替市場は、大手格付け会社が、13日、ユーロ圏の9か国の国債の格付けを一斉に引き下げたことから、ヨーロッパの信用不安が広がることへの懸念が改めて強まり、ユーロを売って円を買う動きが強まりました。円相場は一時、1ユーロ=97円4銭をつけ、97円を突破する目前まで値上がりし、平成12年12月以来、およそ11年ぶりの円高ユーロ安水準を更新しました。市場関係者は「格下げされたユーロ圏の国債に加え、財政状況が悪化したユーロ圏の国に支援を行う『ヨーロッパ金融安定化基金』も格下げされるのではないかという懸念も出ており、信用不安の払拭(ふっしょく)になお時間がかかるのではないかという見方が広がっている」と話しています。
東京外国為替市場で急速な円高ユーロ安が進んでいることについて安住財務大臣は、16日午前、記者団に対し、「動きが急なので懸念はしている。ヨーロッパの国債に対する信用が揺らいでいて、金融機関などに波及しているということなので、信用不安の波及を防ぐ対策を強力に構築して、市場や世界に安心感を持ってもらうことが必要だ」と述べ、信用不安の拡大を防ぐため、ユーロ圏各国に対して対策を急ぐよう求める考えを重ねて示しました。一方で円高ユーロ安を受けて、東京株式市場で株価が下落していることについて、安住大臣は「日本企業のファンダメンタルズ・経営の基盤は、悪いわけではないので、その点についての懸念はしていない」と述べました。