教育行政との衝突に臆せず、理想の教育を追う教師たちのドキュメンタリー映画「“私”を生きる」(土井敏邦監督、138分)の上映が14日、渋谷区円山町のオーディトリウム渋谷で始まった。2月3日まで。
10年製作の映画で、現職・元職計3人が登場する。八王子市の元中学教員、根津公子さんは君が代起立斉唱を義務づけた都教委通達に反対する。都立三鷹高校元校長の土肥信雄さんは、職員会議で教職員の挙手や採決を禁止した都教委通知について「教育現場から言論の自由を失わせる」と指摘。都内公立小の音楽専科教員、佐藤美和子さんは、卒業式の君が代伴奏や日の丸掲揚に、信仰上の理由から反対の立場を取る。
映画はそれぞれの信念や学校内外の様子を丹念に追い、支援者の声を紹介した。
土井監督は「東京の教育現場で思想や言論を統制する動きは戦前回帰を思わせる。そこで組織の論理にあらがう3人の姿を伝えたかった」と話している。
上映は1日1回。開始時間は27日まで午後0時50分、28日が午前9時半、29日以降は午前10時。23日は休み。料金は一般1500円、大学・専門学校生1300円など。問い合わせはオーディトリウム渋谷(03・6809・0538)。【遠藤拓】
〔都内版〕
毎日新聞 2012年1月15日 地方版