東京で8~12日に開かれた第20回アジア太平洋議員フォーラム(27カ国加盟)出席のため来日したロシアのマトビエンコ上院議長(前サンクトペテルブルク市長)は都内で記者会見し、ロシアが近年、アジア太平洋地域への参入を「政治的優先課題」と位置づけ、欧米との関係を優先する外交路線からの「方向転換」を図っていると述べた。
会見でマトビエンコ氏は、ロシアが以前は欧米重視だったことを認めたうえで、「今ではアジア太平洋地域が世界の最も重要なセンターになっている」と述べ、関係強化でロシアの東シベリアや極東地方の発展につなげたい考えを強調した。
また3月のロシア大統領選でプーチン首相の当選を「確信している」と断言。プーチン氏が大統領に「復帰」しても対日外交に変化はないとの見方を示した。
ロシアで起きた市民の大規模デモについては「選挙の前後に政治活動が活発化するのは普通のことで、民主化へのプロセスだ」と述べた。会見は10日と11日に行われた。
12日の会合でマトビエンコ氏は、次回の議員フォーラムを来年1月にロシア極東のウラジオストクで開くよう提案し、承認された。
ウラジオストクでは今年9月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に続く国際行事となる。【大木俊治】
毎日新聞 2012年1月13日 東京朝刊