15日に終了した大学入試センター試験は、問題用紙の配付などのミスが相次ぎ、受験生4500人余りに影響が出る過去最悪のトラブルが起きました。大学入試センターは試験の運営方法の改善を検討することなりました。
全国でおよそ52万人が受験した大学入試センター試験は、15日に2日間の日程を終えましたが、初日にトラブルが相次ぎました。大学入試センターによりますと、試験方法が変更された地理歴史と公民の試験で、試験官の説明が長引いたり、問題用紙の配付をミスしたりして、58の会場で試験時間が最大で48分繰り下げられ、受験生4565人に影響が出る過去最悪のトラブルになりました。長崎県立大学の1つの試験会場では、このミスで試験時間が2分短くなったとして、受験生32人が再試験の対象となりました。地理歴史と公民で合わせて2科目選択した場合、最初に受験した科目と2番目に受験した科目では解答用紙が異なり、センター試験を利用する大学は最初の科目を採点対象にするケースが多くなります。大分県立看護科学大学では地理歴史と公民の2種類の問題用紙を同時に配付しなかったので、受験生2人が最初に受験するはずの公民の試験を受けられず、2番目に受験することになったため、試験終了後に解答用紙を書き直すことになりました。一連のミスは、1つ間違えば受験生が志望する大学を受けられない事態にもつながりかねず、大学入試センターでは15日夜、試験の運営に問題があったことを認めて謝罪し、改善を検討することになりました。大学入試センターでは、今回の試験の変更にあたり、去年8月に各大学にマニュアルを配付し、2回、担当者の研修も行いました。ただ地理歴史と公民では、試験方法の変更に伴い、受験生に説明する内容が大幅に増えたのに説明の時間は去年までと同じ20分間のままで、今後は説明の時間配分や研修の在り方を見直していくということです。