小倉簡裁:罰金30円…裁判官誤記、正式裁判で判決修正へ

2011年11月17日 13時45分

 小倉簡裁(北九州市小倉北区)の男性裁判官が10月、自動車運転過失傷害罪で略式起訴され罰金30万円を求刑された市内の30代の男性会社員に対し「罰金30円」と書き間違えて略式命令を出していたことが分かった。判決を修正する正式裁判が12月5日に開かれる。簡裁を管轄する福岡地裁小倉支部はミスを認めて男性に謝罪したが、男性の出廷にかかる費用などの補償は難しいとしている。

 刑法は罰金を1万円以上と定めており、今回の命令は法令違反となる。

 同支部などによると、男性は6月、市内で赤信号に気づくのが遅れて衝突事故を起こし、相手の運転手らに軽傷を負わせたとして書類送検され、9月末に自動車運転過失傷害罪で略式起訴された。小倉区検は罰金30万円を求刑したが、簡裁の裁判官は10月4日付で罰金30円の略式命令を出し、男性に同12日付で命令書の謄本を送った。

 その後、男性の元に区検から30万円の罰金納付告知書が届き、男性が区検に金額が違うと連絡。区検が簡裁に指摘して裁判官のミスが判明した。区検は同18日、小倉簡裁に正式裁判を請求。地裁小倉支部は翌19日、男性に面会し、経緯を説明して謝罪した。

 同支部では今年、民事訴訟で書記官が損害賠償額を誤記して判決文を送るミスも起きている。同支部は裁判官の処分について「事実関係を調査し、適切に対処する」。福岡地裁の山口幸雄所長は「誤りがあったことは誠に遺憾。裁判官や職員に注意喚起し、再発防止に努めたい」とコメントした。【内田久光】

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