予算公開ヒアリング:宇宙関連大幅削減へ 重点化枠

2011年11月16日 22時43分 更新:11月16日 23時0分

 政府・与党は16日夕、12年度予算編成の焦点の一つである経済成長や雇用拡大などにつながる政策を対象とした重点化特別枠「日本再生重点化措置」の配分を決めるための公開ヒアリングを行った。予算編成の透明性を高め、野田政権の成長戦略への取り組みをアピールするのが狙い。政府・与党幹部と7省庁の政務三役が要望を巡って議論を交わし、宇宙開発関連など各省庁で重複が目立つ要求は大幅に絞り込む方向が示された。様子はインターネットで中継された。

 ただ、昨年は3日間だった公開ヒアリングが今回は1日。1省庁当たりの持ち時間も30~45分程度で、各政策が成長や雇用拡大などにどこまでつながるかという肝心な点の議論は深まらなかった。厳しい財政事情から、12年度予算では特別枠自体の規模も11年度(約2.1兆円)から約7000億円に大きく縮小。民主党政権が掲げる「政治主導の予算編成」の形骸化ぶりも印象づけた。

 財務、国家戦略担当の政務三役や与党政調幹部らで作る予算編成会議が12月上旬にも重点化枠への配分案をまとめ、野田佳彦首相が年末の12年度予算案編成までに実際の配分額を最終決定する。

 16日の公開ヒアリングでは、査定側の斎藤勁官房副長官が「優先度を見た上で、大幅に削る」と強調。14事業、4860億円を求めた文部科学省に対して「(要望された)宇宙開発(分野)は各省がばらばらに要求し、無駄が多い」(桜井充民主党政調会長代理)などと厳しい指摘が出され、「大幅に削減せざるをえない」(斎藤副長官)とされた。また、厚生労働省の就職支援事業に関しては、査定側の仙谷由人政調会長代行らから、若者の就職拡大効果を疑問視する声が出た。

 ただ、時間内で政策の廃止や予算削減などを判定する事業仕分けとは異なり、今回のヒアリングは「予算編成過程を『見える化』する」(古川元久国家戦略担当相)のが趣旨。大半は査定側の一方的な指摘にとどまった。また、与党側からは「防衛(関連)予算は削るべきではない」(前原誠司政調会長)との声も出ており、総額2兆円にのぼる重点化要望を約3分の1に削る作業は難航しそうだ。【坂井隆之、赤間清広】

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