2011年11月16日 12時10分 更新:11月16日 12時48分
【ニューヨーク山科武司】「ウォール街を占拠せよ」を合言葉に格差是正を求める若者らのデモ隊約200人が15日未明、拠点とするマンハッタン南部のズコッティ公園から米ニューヨーク市警に強制排除された問題で、ニューヨークの裁判所は15日夕、市側の主張を認め、公園内へのテントや毛布の持ち込みを禁じる決定を下した。退去を拒んだデモ隊や地元市議、取材中の記者らを含め、逮捕者は当初の約70人から200人以上となった。
全米から全世界に広がった反格差デモの「拠点」での寝泊まりが許されなくなり、デモ隊側は、新たな運動方法を模索するとみられる。
15日未明に始まった強制排除に反発したデモ隊側の弁護士グループは排除開始から数時間後に、テント持参で公園に戻る一時的な許可を裁判所から取り付けた。だが市側は排除を続行し、許可したのとは別の裁判官の下で改めて審問が行われた。
裁判所は最終的に、デモ隊の公園での集会について「表現の自由はある」と認めたうえで、「公園の所有者(不動産会社)の意向などを無視したテントや発電機などの持ち込みは認められない」とした。