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大阪府庁本館に近代美術館…松井知事構想 大阪府の松井一郎知事が、府庁本館(大阪市中央区)について、大阪市が建設予定の近代美術館に転用する検討を始めたことがわかった。橋下徹市長も同調しており、府市一体で大阪のにぎわい創出の拠点として整備する考えだ。ただ、転用には本館に入居する部署の 計画白紙化府庁本館(地上6階、地下1階建て、延べ約3万4000平方メートル)は1926年に完成し、現存する都道府県庁舎では最古。大理石をあしらった吹き抜けの玄関ホール、シャンデリアやステンドグラスで飾った大広間など荘厳な内装で、映画「ブラック・レイン」や「プリンセス トヨトミ」の撮影にも使われた。 一方、近代美術館は大阪市が市制100周年の記念事業として大阪大医学部跡地(同市北区)を国から160億円で購入、ダリやモディリアーニなどの絵画を153億円でそろえ、2017年度の開館を目指していた。しかし、昨年12月に就任した橋下市長が今後122億円もの建設費用が市単独でかかることなどを疑問視し、計画を白紙に戻した。 松井知事と橋下市長は今月12日に会談。近代美術館を巡る現状を話し合い、条件が整えば府本館を改装し転用を検討することで一致した。 会談後、橋下市長は読売新聞の取材に、府本館について「重要なにぎわい施設になる」と指摘。松井知事も「改装費を府市で一緒に負担することを考えたい」と話した。今後、府市統合本部で検討していくという。 府議会は松井知事が幹事長を務める大阪維新の会が過半数を占めるため、本館に入っている部署を咲洲庁舎に移すための予算を通し、転用を進めるのは可能だ。 違約金? ただ、咲洲庁舎に関しては、橋下市長が知事だった昨年8月、長周期地震動への また、大阪市にとっても、近代美術館用に多額の税金で購入した土地が宙に浮くことになり、市民や市議会の理解を得られるか不透明だ。元々、国から近代美術館としての活用を前提に購入しており、別用途に使われれば、多額の違約金を請求される恐れも生じる。 庁舎を近代美術館に転用するアイデアは橋下市長の前任の平松邦夫氏も07年の就任当初に抱いていた。しかし、市役所本庁舎(同市北区)は美術館にしては天井が低く、大規模な収蔵設備などがいることがわかり、撤回した経緯がある。 (2012年1月15日 読売新聞)
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