名古屋−鹿島の試合前に登場し、グランパスくん(手前)とPK戦で対決するドアラ=瑞穂陸上競技場で(2008年6月28日)
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名古屋グランパスが今季、ファンサービスやチケット販売などの事業・営業面で中日ドラゴンズとの連携を強化していく方針であることが14日、わかった。両チームの選手会長同士もすでに共闘に合意。日本の二大メジャースポーツのトップチーム同士が、競技の垣根を越えて名古屋を盛り上げる。
つかず離れずだった鯱と竜の間に、強力な協力態勢が構築されることになった。2012年、チーム結成20周年を盛り上げたいグランパスと、高木新体制となりファンサービス部門が強化されたドラゴンズの思惑が一致。今月上旬にドラゴンズの担当者がグランパスの事務所を訪問し、共闘に合意したという。グランパスの森雅彦事業部長は「関係を強化していきましょうという話をした」と明かした。
具体的なプランは練っている段階だが、柔軟なアイデアが多く浮上している。その一つが割安セットチケットの販売。これは、例えば14時からのナゴヤドームでのデーゲームを観戦後、瑞穂陸上競技場で19時からのナイターを観戦してもらうというもの。コラボグッズなど付加価値を付けることも検討されそうだ。
また、グランパスの小川とドラゴンズの吉見という両選手会長同士は親交があり、すでにコラボについての話し合いを行っているという。日程調整の難しさはあるが、お互いのファン感謝デーにゲスト出演するなどの共同イベントを検討することになりそうだ。
両チームのマスコット、グランパス君とドアラの交流も復活する。両者はともに各界を代表する人気者だが、交流は08年6月のPK対決を行って3年間は疎遠に。今年はお互いの本拠地を行き来し合う機会が多くなる。
過去には多くの地域で同じフランチャイズを持つクラブと球団が提携した例があり、サッカーと野球は決して相反するコンテンツではない。森部長は「これを機会にお互いのファンのすそ野を広げられれば。一緒にいろいろとできればいい」とコラボ効果を期待していた。 (宮崎厚志)
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