父子家庭にも「児童扶養手当」が支給されます!
ひとり親家庭の家計を支援するための「児童扶養手当」。これまでは母子家庭を対象に支給されていましたが、平成22年8月1日から、父子家庭にも支給されることになりました。児童扶養手当の支給を受け取るためには、お住まいの市区町村で支給申請の手続きをすることが必要です。
「ひとり親家庭」に対する経済的な支援
離婚や配偶者との死別などさまざまな理由によって、母親または父親が一人で子どもを育てている「ひとり親家庭」は少なくありません。母親が一人で子どもを育てている母子家庭は約120万世帯、父親が一人で子どもを育てている父子家庭は約20万世帯と推計されています(※)。
※「平成18年度全国母子世帯等調査」より厚生労働省が推計。
ひとり親家庭では、一人の親が家計を支えながら、子育てや家事もこなさなければならないため、二人親家庭に比べて、さまざまな点で困難が生じます。また、厚生労働省が行った平成18年度母子世帯等調査によれば、母子家庭の88.0%、父子家庭の37.2%が、年間就労収入300万円未満の低所得者世帯となっています。
児童扶養手当法の改正で父子家庭も「児童扶養手当」の対象になりました
児童扶養手当は、母子家庭等の生活の安定と自立の促進に寄与し、子どもの福祉の増進を図る手当です。昭和36(1961)年に創設された制度で、これまで、児童扶養手当法による児童扶養手当の支給対象を母子家庭としてきましたが、最近の父子家庭をめぐる状況を踏まえ、児童扶養手当法が改正され、平成22年8月1日から、父子家庭にも支給されることになりました。
父子家庭に児童扶養手当が支給されるのは、次の(1)~(5)のいずれかに該当する子どもを父親が監護し、かつ生計を同じくしている場合です。
- 両親が離婚した子ども
- 母親が死亡した子ども
- 母親が一定程度の障害状態にある子ども
- 母親の生死が明らかでない子ども
- その他(母親が1年以上遺棄している子ども、母親が1年以上拘禁されている子ども、母親が婚姻によらないで懐胎した子どもなど)
個々の家庭が支給要件に該当するかどうかは、お住まいの市区町村でご確認ください。
手当額は父子家庭の父親の年収や育てている子どもの数などによって決められます
児童扶養手当は、扶養する家族の数等によって所得制限が設けられており、受給資格者等の所得によって、児童扶養手当が「全部支給」になるか、「一部支給」になるか、「支給停止」になるかが決定されます。
平成22年度児童扶養手当 所得制限限度額
(単位:円)
扶養親族(等)の数 | 受給資格者本人(※を除く) | 孤児等の養育者(※) 配偶者 扶養義務者 |
||||
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全部支給 | 一部支給 | |||||
収入額 | 所得額 | 収入額 | 所得額 | 収入額 | 所得額 | |
0人 | 920,000 | 190,000 | 3,114,000 | 1,920,000 | 3,725,000 | 2,360,000 |
1人 | 1,300,000 | 570,000 | 3,650,000 | 2,300,000 | 4,200,000 | 2,740,000 |
2人 | 1,717,000 | 950,000 | 4,125,000 | 2,680,000 | 4,675,000 | 3,120,000 |
3人 | 2,271,000 | 1,330,000 | 4,600,000 | 3,060,000 | 5,150,000 | 3,500,000 |
4人 | 2,814,000 | 1,710,000 | 5,075,000 | 3,440,000 | 5,625,000 | 3,880,000 |
5人 | 3,357,000 | 2,090,000 | 5,550,000 | 3,820,000 | 6,100,000 | 4,260,000 |
児童扶養手当の支給額は、受給資格者(父子家庭の父親)等の所得や、子どもの数などによって決まります。
児童扶養手当は、一人目の子どもについては、全部支給で月額41,720円、一部支給で月額9,850円~41,710円(所得によって異なります)が支給されます。また、子どもが2人以上いる場合には、1人目の手当額に2人目以降の額が加算されて支給されます。
児童扶養手当が支給される期間は、該当する子どもが18歳になる年度末(子どもに障害がある場合は20歳未満)までです。
なお、所得制限限度額については扶養親族の数によって異なり、また控除される所得等も個々に異なりますので、詳しくはお住まいの市町村までお問い合わせください。
児童扶養手当の支給を受けるためには市区町村への申請が必要です
児童扶養手当の支給を受けるためには、お住まいの市区町村への申請(認定請求)が必要です。申請に当たっては、受給資格者および該当する子どもの戸籍謄本(抄本)や住民票など、世帯の状況が分かる書類、所得の状況が分かる書類などが必要となります。具体的な手続きや必要書類については、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
児童扶養手当は、毎年、4月、8月、12月の年3回、前月までの4か月分の手当額が支給されます。平成22年8月1日から始まった父子家庭への児童扶養手当は、平成22年12月が最初の支給となり、平成22年8月分から11月分の手当額が支払われます。平成22年12月に支給を受けるには、平成22年11月30日までに申請することが必要ですので、お早めに手続きを行ってください。11月30日を過ぎてしまうと、「申請の翌月分」からの支給になります。
なお、11月30日までに申請した場合には、次のような取り扱いになります。
- 平成22年7月31日までに支給要件に該当している方
→平成22年8月分から支給されます - 平成22年8月1日以降、11月30日までに支給要件に該当した方
→支給要件に該当した日の翌月分から支給されます
申請手続きをした方は毎年8月に「現況届」を提出する必要があります
児童扶養手当の受給の認定を受けた方は、毎年8月、市区町村に対して「現況届」の提出が必要となりますのでお忘れなく手続きを行ってください。
なお、父子家庭の父親が再婚したり、子どもが母親に引き取られたりするなど、世帯の状況が変わった場合には、その都度、届け出が必要になります。
現況届など、具体的な手続きについては、お住まいの市区町村でご確認ください。
(取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン)
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