なるたる

第1話「それは星のカタチ」

第1話の感想を書く前に総合感想を。実は、全13話観てしまった状態で、この第1話の感想を書いています。別にコンプリートしたくてがんばって観たわけじゃなく、話が面白いのと、どういう展開になるか分からないハラハラドキドキ感と、それから酷いイジメの話があるというのはこのアニメだったかな―?という部分と。(結果的に酷いイジメはこの作品だったわけですが) それで、全13話観て思ったのは、これは原作を読まないと全く意味のないアニメだな、ということ。

もちろん、アニメだけ視聴した私もすごく楽しかった(?)わけですが、色々な伏線がぶつ切りになっているし、中盤でちょっと盛り上がりかけた「黒の子供会」の話は投げっぱなしですし、ラストバトルはいきなり思わぬ人が敵だったりして、本当に観ていて振り回される感じでした。観終わった後ウィキとか2ちゃんねるで情報を確認して今に至るわけですが、これは本当に原作を読んだ方がいいと思いました。

というわけで、この感想は原作のネタばれも少し含みます。(ネットで調べて分かる範囲です)

それでは1話の感想〜。ヒロインのシイナが田舎に里帰りしているところから物語は始まります。シイナは夢の中で呼びかけてくる存在に気付きます。未だにそれがホシ丸だったのか、お姉さんの実生さんだったのか私は分からずじまいです。確か、「シイナという名前で呼ばないで」と言っていたような気がしますが、それはむしろシイナの意見ですよね?

関係ないけど明日葉の天ぷらって美味しそう! 私はシソの葉の天ぷらが好きです。サクサクっとした葉物天ぷらは幸せの元。

海の中にたっている鳥居(結構遠い)まで泳いでいくシイナ。健康的な娘であることが分かります。鳥居の下の海に潜ってみると、そこには目のある黄色い星型の生き物(?)が…そして、シイナは泳いでいた時の記憶をすべてなくして、助けられます。これがシイナとホシ丸の初対面であるわけですが…鶴丸の竜の子であるホシ丸がなんであんなところに沈んでいたんだろう…原作では理由は明かされているのだろうか。

夜。迎えに来たホシ丸は、自分の背中に乗れ、というしぐさをします。サーフボードのように立って乗るシイナ。夜の空を滑空して、「すごい、すごーい!!」と感動しまくりです。…ふつう、立って乗るか? 得体の知れないものに。100歩譲っても座って乗るでしょう。

ホシ丸と鳥居の上で休んでいると、突然目の前に海からが浮かんできます。その舌先(?)には体中にペインティングのような線の模様の入った女の子が。後にこれは原作で、お姉さんだった実生さんであると分かるそうですが…。彼女が夢の中でシイナを呼んでいたのでしょうか。

里帰りは終わり、シイナは小さな飛行機で帰途につきます。あれ? この飛行機を運転しているのはお父さん? 最初は気付かなかった。飛田展男さんもこんな役もやれるようになったんですね〜(…と2003年のアニメに感心している2009年の私) ホシ丸は持って帰ることにしたようです。そんな得体の知れないものを持って帰っていいのでしょうか。



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第2話「災いは光の内」

シイナのお父さんの「そりゃ、優秀なパイロットの血が流れているんだから」という台詞でやっとシイナのお父さんがパイロットであるという確信ができました。私は声優さんは大好きだけど聞き分けができないダメオタクなので、声だけじゃ分からないのですよ〜

「スポーツチャンバラ」を習っているシイナ。とても生き生きと活動しています。楽しそうだなそれ。そこに、本編のもう一人のヒロイン、明ちゃんがやってきます。先生から「扱いにくい子だから…」と明ちゃんの説得を頼まれます。明ちゃんはぽつぽつとしゃべります。「相手を叩くのはなしで、避けるだけではだめですか」と…。シイナが考え込んでいると、「前に剣道を習っていたんですけど、すごく強くたたく子がいて…私も同じように叩いたら、嫌われてしまうんじゃないかと…」人を傷つけることが過剰なまでに怖いんですね。

ホシ丸を見てびっくりする明。この時点で私は、OPに出てくる星型のほかの竜の子を持っているのかな、と予想しましたが、それは当たりでした。誰でもわかりますね。家に大急ぎで帰った明は、いきなり机の引き出しから剃刀を取り出し、手首を切ろうとします。ひぃぃぃぃ。いきなりヘビーです。

うたたねするシイナに毛布を掛けてあげるホシ丸。そういう気は使えるんだ。全くの無表情だからこちらの意思が伝わることはないと思っていました。それとも、ホシ丸の本来の持ち主がそうさせたの? アニメだけ組には分からないことです。

お父さんが帰ってこない日、たまには外食しようと外に出るシイナ。行きつけの店が休みで、はじめて入る「むつ」という定食屋さんで、ばったりと明と再会します。ここは明の実家でした。青ざめる明。

明は自分の部屋で、ホシ丸によく似た「エン・ソフ」を取り出して見せます。そして、エン・ソフが自分に見せた、高いところから落下する感覚と衝撃をもう2度と味わいたくない、それくらいなら自殺する、と…。けれどもシイナは明に手を差し出します。「仲間がいると嬉しいよ」と差し出された手を、明は両手で包み、額を押し付けます。どれだけの間一人で悩んできたのか…。

夜の道で分かれるシイナと明を見守っている謎の帽子の男の子(小森くん)。



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第3話「黒の1号」

休日を利用して、明を誘ってお父さんの飛行場を見せに行くシイナ。のんびりした風情の中、突然知らない竜の子が現れます。イカのような、刀のような形状をしたそれは、すぐに逃げ出します。ホシ丸にサーフィンのように乗って、追うシイナ

刀のような竜の子(この子が「黒の1号?」)(いや、「黒の子供会」の一人目という意味か?)の持ち主は、前回ラストでほほ笑んでいた謎の少年でした。ウィキによれば小森朋典くんと言うそうですが、この話で死んでしまう彼は、この時点では全く名前が分かりませんでした。それはともかく、石田さんだ、声! 石田彰さんだー!! 嬉しいな、おかっぱで胡散臭いストーカー気質の石田さん! 石田さんはストーカーを演じている時が一番輝く、と個人的に思っています。

明は、腕のためらい傷を小森に見られてしまいます。「痛くてなかなか動脈までは引けない」と明に粘着する小森。いいぞーもっとやれー。小森は明に語ります。「君が気に入った。いっしょに世界を変えよう。50億人くらい殺そう。インテリは殺しちゃっていいかな。その後は体力で選別する。いい世界になるよ」と。明の長い髪に触れて「綺麗な髪だ」とささやきます。

小森はシイナを襲います。プッシュ・ダガ―というらしい竜の子で、シイナを樹にはりつけます。「竜の子を持っているだろう」と尋ねてきます。そして「竜に会ったことがあるだろう」、と…。

ホシ丸がシイナを助けに駆けつけます。プッシュ・ダガ―はホシ丸を突き刺しますが、ホシ丸は腕からプッシュ・ダガ―のコピーを取り出して、小森に投げつけます。胴体を貫かれてぐったりとなる小森。必死で逃げるシイナと明。明は怯えきっていました。「あの人…死にましたよね」 それが助かった、という意味なのか、自分たちは人を傷つけたくなかった、という意味なのか、どちらにもとれるような気がします。

ラストシーン、お風呂に入る時、シイナにはホシ丸と同じ傷が付いていました。すこしはリンクしてるってことかな。



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第4話「影は少年の歩幅で」

シイナの学校での親友、ひろちゃんこと貝塚ひろ子の登場です。ひろちゃんと出かけるシイナ。「ホシ丸、あんたは来ないで」とシイナは冷たく突き放します。特に何の感慨もないように見送るホシ丸。この子は全く表情がない分、却って表情豊かに見えますね。

駄菓子屋さんで「万朶学園(ばんだがくえん)」の制服を着た女生徒に乱暴にぶつかられ、ひろちゃんに「あれ万朶学園の制服だよ」と教えられ、「赤と黒で変な服。パンダ学園? 赤黒パンダ?」と大声で笑うシイナ。笑われた少女はシイナの頬をビンタします。殴り返そうとするシイナを必死で止めるひろちゃん。このシーンは素直にシイナが悪いよね、と思えたのですが…。

女生徒が去って行ってから、「ごめんね。あそこではシイナちゃんも殴るべきだったよね」とあやまるひろちゃん。「私こんどあそこの学校受けるの。学校であの人と会ったらと思うと…」しかし、ひろちゃんの受験事情が後にあーんなことになるなんて、夢にも思っていませんでした。

シイナは結婚したり子供を作ったりしない、と心に決めているようです。それは両親の別居から? それとも、秕(しいな)=みのらない稲穂、という名前から? この日シイナは別居しているお母さんと会うのですが、お母さんは通知表の成績を見て「まだ漢字を使って名前を書いていないのね」とため息をつきます。それはいやですよ、自分の名前が空っぽのモミだと知ったら。でも、両親は「実生」というお姉さんが死んでしまったから、いつまでも手元にいてくれるように秕(しいな)となづけたのだ、と後の原作で明かされるそうです。

お母さんは竜族の研究をしている様子です。これは偶然? ヒツゼン?(←こう書くとCLAMPっぽい)

お父さんと二人でシイナの誕生パーティ。お料理は豪華に重箱の仕出し弁当です。ご飯も5合炊いてあります。お腹いっぱい食べて、「ケーキはどうする?」と聞かれて思わず吐いてしまうシイナでした。でも、この辺の描写に、摂食障害者の食べ吐きに似たものを感じてしまったのですが、考えすぎかな…。吐くときの苦しげな声がいつまでもいつまでも響いていたし…。

カラオケボックスで話し合う3人の「黒の子供会」のメンバー。今朝シイナにビンタした小沢さとみと、彼女と親しいらしい高野文吾、そして一際大人っぽいリーダー格の須藤直角(なおずみ)。彼らもそれぞれの竜の子を持つ子どもたちなのらしいです。そして世界を変えたがっている。個人的には、この「黒の子供会」のその後が最終回まで行っても投げっぱなしなのが残念でした。

暗い部屋で、自分で自分の髪を切り続ける明。これで、OPのようなショートヘアになるんだったんですね。きっかけは、小森に「綺麗な髪」と触れられたことに対する嫌悪感みたいです。



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第5話「天使のお遊戯」

天使=天使のような美しい竜の子、ハイヌウェレが現れます。どこに現れるかと言うと、シイナのお父さんの操縦している飛行機の眼前に現れます。「あ・そ・ぼ・う」と伝えてきて、攻撃に入ります。しかしハイヌウェレという名前は本編では明かされないのでした。(ウィキで知りました) お父さんの同僚さんの飛行機は、ハイヌウェレに撃ち落とされてしまいます。

ハイヌウェレはぶっちゃけ藤子・F・不二雄さんの描く女の子に似ています。というか、しずかちゃんです。可愛らしい顔と白い肌、そしてそれに似合わないまがまがしい腕が、悪夢に出てきそうな違和感と恐怖感を与えます。

授業中、お父さんの心臓の音を聞き取るシイナ。それはシイナ固有の能力のようなもの? それともホシ丸の力? 単なる虫の知らせ? ともかく、シイナは職員室に連れていかれて、お父さんの事故を知ります。

お父さんは、エンジンに砲弾を投げ込まれる、という絶望的な状況であったにもかかわらず、意識もあるし無事でした。意外なことに、お母さんが真っ先にお見舞いに来ています。…とおもったら、ハイヌウェレの絵をかかせていました。研究の一環、一環。お父さんの会社の社長さんは、中年の関西弁の女性でした。これは意外。航空会社の社長が女性って、なんだかいいですね。

病院の廊下ですれ違った青年に、「お父さん、無事でよかったね」とささやかれるシイナ。私の最初の視聴メモでは「謎の少年(青年?)」と書かれていますが、これが鶴丸との初邂逅になります。

お父さんの会社の鈴木さんと一緒に車に乗って帰るシイナ。「人はなぜ、死ぬのかな」「人はなぜ、生まれてくるのかな」…。それは、「大人」である鈴木さんにもうまく答えられない深い問いです。以下原作ネタばれあります。それにしても、原作ではすべての人類が滅びた後に最後の2人として生き残るシイナがそう問うのは不思議な感じですね。原作ネタばれ終わり。

家に帰ると明ちゃんが待っています。手紙を持って。大きな字で、「ホシ丸とエンソフによろしく」と書かれています。これを書いたのは誰? 2ちゃんねるのログを見ると、「ホシ丸が書いたんだろう」とありますが、じゃあ書かせたのは誰? やっぱり鶴丸?



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第6話「彼の言葉は真実」

病院で張り込んで、廊下ですれ違った謎の青年を探すシイナと明。エンソフとホシ丸を取り換えているのは、トランシーバー代わりでしょうか。エンソフがシイナに抱っこされていると、自分も温かいものに包まれているようで、ちょっとうっとりする明ちゃんなのでした。

見つけた青年のスクーターを自転車で追う二人。ちょ、危ないよ、それって。息を切らしてスクーターを追う明と、軽々と明の先を行くシイナ。明ちゃんって剣道もやってた割に体力ないのかな…。追いついたところは倉庫のような場所でした。中に入ると息をのむ二人(と私)。ハイヌウェレが磔にされています。いえ、ハイヌウェレではないです。色が付いていないから。でも明らかに天使の形。

謎の青年・鶴丸に案内されて階段を上ろうとしても、脚が震えて登れない明。そんな彼女をお姫様だっこして、鶴丸は平然としています。鶴丸が案内した先にはのり夫という青年が、作りかけの竜の子の模型を手に待っています。ハイヌウェレだと思ったのも、模型だったんですね。

しかしのり夫さん、EDにずっと出てきていましたが女性だと思っていました。エプロンに長い髪、そして女顔。ここから先はハイパーネタばれになりますが、れっきとした男性であるのり夫さんは、原作では最期に変態さんに陵辱されながら解体されて死ぬのですねそして鶴丸には好意を寄せていた。なんだ、やっぱりそういうことなんじゃん、と思ってしまったウィキでした。ネタばれ終わり!

小森が行方不明になり、その母親が衰弱死したというニュースが流れます。明は強いショックを受けます。(というか、明はいつでも強いショックばかり受けている気がします。心弱き子よ。私もそんな感じなので気持ちはわかります) 小森の遺品(?)であるナイフを持って、小森の実家に花束を供えに行く明。

花束を供えているところに、「黒の子供会」リーダーの須藤が声をかけてきます。須藤の車に乗ってしまう明。「僕たちの仲間にならないか」と誘われます。「花を供えるのは死んだ者のためにはならない。生きている自分たちのために何かしないと」と。何か明って、変なストーカー体質の男にばかり好かれているような気がします。おどおどした美少女って、そういうのを呼び寄せちゃうのかな。

ずっと不登校だった明ですが、ようやく制服を着て、カバンを持って学校へ向かいます。…が、小沢さとみの竜の子「アマポーラ」に拉致されてしまいます。何という幸薄い娘でしょうか。なみだがとまんにゃい…おはなしおしまいにゃ。



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