木嶋被告　８４歳老人と“男女関係”…３人連続不審死公判

　練炭自殺に見せかけ交際相手ら男性３人を殺害したとして、殺人罪などに問われた木嶋佳苗被告（３７）の裁判員裁判第２回公判が１１日、さいたま地裁（大熊一之裁判長）であった。

　初公判に続き、この日も０９年８月に埼玉県富士見市で亡くなった大出嘉之さん（当時４１歳）事件を審理。検察側は大出さんと交際中に「本命の恋人」、当時８４歳男性ら２人とも交際していたことを明らかにし、消去された木嶋被告の携帯電話のメールを復元。詳細なやり取りを再現した。

　大出さんとサイト上で出会ったのは、０９年７月１３日。大出さんと３０通以上のメールのやり取りをしていたほぼ同じ時期に、大正生まれの８４歳男性らにもメールを送信し、専門学校の学費をねん出する必要性を強調した。この男性からは「老骨で、どこまでできるか自信がない」と返信を受けたが、「異性として仲良くなりたい」と男性宅も訪問。フランス料理を食べるなど交際を続けた。

　男性が８月に「私に未来があれば、と思います。あなたのような人に巡り合ったことがないので、戸惑っています」とメールすると、木嶋被告は「肌と肌との触れ合い、裸で抱き合ったり、手を握ったりすることも大切」と男女関係をちらつかせた。この男性は、詐欺被害などには遭っていない。

　一方、木嶋被告は大出さんに対しても「１０年ほど彼女がいなかったと言っていたけど、性的欲求はなかったの？」などのメールを送信。大出さんから金を受け取った翌日に、１００万円束４つを写した画像を本命の男性に送り、「パパからのお小遣い。兄弟に配ります」などとつづっていた。

　弁護側は、大出さんの殺害、詐欺を否認している。また、男性２人の殺害についても無罪を主張している。

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