首都圏連続不審死事件で、3件の殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第3回公判は13日午後も、さいたま地裁(大熊一之裁判長)で続き、被告の財産状況を捜査した検事が証人として出廷した。検事は、死亡した大出嘉之さん(当時41歳)から470万円を受け取ったとされる翌日、被告の口座に多額の入金があったと証言した。
木嶋被告は、結婚するように装い大出さんから470万円をだまし取ったとして詐欺罪にも問われている。検事の証言によると、大出さんと出会う約2週間前の09年6月末、被告には約50万円の預貯金がある一方で、クレジットカードの借金などが約100万円あった。大出さんから470万円を詐取したとされる翌日の09年7月25日、被告の複数の口座に計386万円の入金があったという。
386万円の使途について検事は、家賃約23万円の高層マンションへの転居費約150万円▽借金返済86万円▽家具購入26万円--などに充て、09年8月中旬にはほぼ使い切ったと証言した。
一方、470万円の受領を否定している弁護側は被告が口座とは別に現金をいくら持っていたのかが明らかにされていないと反論した。【飼手勇介、平川昌範】
毎日新聞 2012年1月14日 東京朝刊