首都圏連続不審死事件で、3件の殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第3回公判が13日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)であり、09年8月に練炭自殺を装って車内で殺害されたとされる東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん(当時41歳)の母親が、証人として出廷。大出さんの死亡前の様子を語り自殺の兆候はうかがえなかったことを説明した。
検察側の質問に対し、大出さんが、被告と会った時の印象を「『フランス料理を習っていてすごいんだよ。すごい料理がいっぱい出てくるんだよ。最後はデザートまで出てくるんだよ』と喜んで話してくれた」と述べた。
結婚についての大出さんの様子を「『親を安心させたい。自分も年だから』『結婚式場はどこがいいかな。結婚指輪と婚約指輪はどっちがいいかな』と話して、夢を見ているように楽しんでいた」と証言した。木嶋被告は大出さんから470万円を詐取したとして詐欺罪にも問われている。この経緯については「知りませんでした。親に言いにくかったのでは」と話した。
弁護側は大出さんの自殺の可能性を主張しており、大出さんの体調や悩みなどを質問した。【飼手勇介、田口雅士、平川昌範】
毎日新聞 2012年1月13日 11時29分(最終更新 1月13日 13時31分)