事件・事故・裁判

文字サイズ変更

連続不審死:「木嶋佳苗です」ぼそぼそと小声で

 午前10時前、さいたま地裁301号法廷。木嶋佳苗被告は水色のカーディガンにベージュ色のスカート姿で出廷した。逮捕前に腰まで伸ばしていた髪は、肩に届かないショートカットに変わっていた。

 大熊一之裁判長に名前を聞かれると、「木嶋佳苗です」と小さく、ぼそぼそとした声で答える。少しふっくらしているが、拘置所での規則正しい生活のためか、09年9月の逮捕時よりは痩せたように見えた。

 殺人3件を含む10事件が一括審理されるため、検察官が起訴状を次々と朗読した。木嶋被告は立ったまま表情を変えずに聴き入る。3件の殺人については証言台に置いたメモに目を落とした後、裁判長の方を向き「殺害していません」ときっぱりとした口調で潔白を主張した。両手を下の方で軽く組み合わせたままで、さっぱりとした表情だった。

 検察側の冒頭陳述が始まると、弁護人の隣に座り、法廷内のモニターに映し出された事件の経過表を見たりしていた。手元の机の上にはハンカチと水色の紙ファイルを置いていた。

 裁判員は男性3人、女性3人。時折メモを取りながら聞き、木嶋被告の認否の時には顔を上げて被告の表情を見ていた。

 この日は、49枚の傍聴券を求め、午前6時45分からの整理券の配布に663人が並んだ。【平川昌範、山本愛】

毎日新聞 2012年1月10日 12時16分(最終更新 1月10日 13時26分)

 

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

東海大学:山下副学長「柔道家として教育を語る」

学生時代の思い出から今の日本の課題まで

縦横に語ってもらった。

毎日jp共同企画