|  | 16世紀以降の主な戦争の犠牲者数を見ると第1次世界大戦以前では、フランス革命/ナポレオン戦争における死者数が490万人と最も多かった。 
 しかし、第1次世界大戦の犠牲者数規模は2,600万人とそれ以前の戦争とはレベルを異にしている。第1次世界大戦では、それ以前の戦争の開戦から終戦までの全犠牲者数に匹敵する数の犠牲者が、局地戦ごとに出たと言われる(「地球白書〈1999‐2000〉
  」)。 
 第1次世界大戦がこれほど破壊的であった理由のひとつは動員された軍隊の規模の大きさである。「19世紀末にはほとんどの国で全員徴兵が通例的に行われるようになっていた。...直接戦いに駆り出されるヨーロッパ人の数は、100年前の戦争では全人口の1%だったのに対し、第1次世界大戦では14%だった。」(同前)もちろん、戦闘機、戦車、化学兵器と言った武器の発達によるところも大きい。
 
 第2次世界大戦は、第1次世界大戦の規模をさらに拡大させ、犠牲者数も2倍以上となった。約5,400万人が戦闘、爆撃、強制収容所における大量殺人、暴動の制圧、疾病や飢餓で死亡したとみられる。
 
 第2次世界大戦後の戦争は、世界大戦級の規模ではないが、朝鮮動乱の300万人など数百万人規模の犠牲者数を伴う大規模武力紛争が数多く起こっている。
 
 なお、バングラデシュ分離独立戦争の犠牲者が当図録の図表では100万人であるがバングラデシュ人の理解では300万人、あるいはそれ以上とされているように、犠牲者数については相互に異なる見方が存在している。
 
 第2次世界大戦後の戦争・武力紛争による戦死者数のみについては図録5229参照。
 
 世界の主な戦争及び大規模武力紛争による犠牲者数(16世紀以降)
 
 
        
        
        
        
        
  (注)Ruth Leger Sivard, World Military and Social Expenditures(1991,1996)による。
            | 戦争及び大規模紛争 | 時期 | 死者数(人) | 非戦闘員の 犠牲者の割合(%)
 |  
            | ■主要な戦争での死者数 |  
    | 農民戦争(ドイツ) | 1524-1525 | 175,000 | 57 |  
    | オランダ独立戦争(対スペイン) | 1585-1604 | 177,000 | 32 |  
    | 30年戦争(ヨーロッパ) | 1618-1648 | 4,000,000 | 50 |  
    | スペイン継承戦争(ヨーロッパ) | 1701-1714 | 1,251,000 | 不明 |  
    | 7年戦争(欧州、北米、インド) | 1755-1763 | 1,358,000 | 27 |  
    | フランス革命/ナポレオン戦争 | 1792-1815 | 4,899,000 | 41 |  
    | クリミア戦争(ロシア、フランス、英国) | 1854-1856 | 772,000 | 66 |  
    | 南北戦争(米国) | 1861-1865 | 820,000 | 24 |  
    | パラグアイ対ブラジル・アルゼンチン | 1864-1870 | 1,100,000 | 73 |  
    | 普仏戦争(フランス対プロイセン) | 1870-1871 | 250,000 | 25 |  
    | 米西戦争(米国対スペイン) | 1898 | 200,000 | 95 |  
    | 第1次世界大戦 | 1914-1918 | 26,000,000 | 50 |  
    | 第2次世界大戦 | 1939-1945 | 53,547,000 | 60 |  
            | ■1945年以降の大規模武力紛争による死者数 |  
    | 中国国共内戦 | 1946-50 | 1,000,000 | 50 |  
    | 朝鮮動乱 | 1950-53 | 3,000,000 | 50 |  
    | ベトナム戦争(米国の介入) | 1960-75 | 2,358,000 | 58 |  
    | ビアフラ内戦(ナイジェリア) | 1967-70 | 2,000,000 | 50 |  
    | カンボジア内戦 | 1970-89 | 1,221,000 | 69 |  
    | バングラデシュ分離独立 | 1971 | 1,000,000 | 50 |  
    | アフガン内戦(ソ連の介入) | 1978-92 | 1,500,000 | 67 |  
    | モザンビーク内戦 | 1981-94 | 1,050,000 | 95 |  
    | スーダン内戦(1995年現在) | 1984- | 1,500,000 | 97 |  (資料)レスター・R・ブラウン「地球白書1999-2000」(1999)
 
 こうした戦争・武力紛争において生じる大量レイプについて、英国エコノミスト誌は以下のような表を掲げている。
 
 武力紛争さ中のレイプ
 
 
  *その後第2次世界大戦中日本軍により20万人の従軍慰安婦(原語 sex slave)が供給された。
            | 武力紛争 | レイプ数推計 |  
    | 第2次日中戦争、南京1937 | 2万* |  
    | 第2次世界大戦におけるドイツのソ連軍 | 10万〜200万 |  
    | バングラデシュ分離独立戦争におけるパキスタン軍 | 20万 |  
    | ボスニア戦争1992-95 | 2万 |  
    | シエラ・レオーネ内戦1991-2002 | 5万以上 |  
    | ルワンダ大量虐殺1994 | 50万 |  (資料)The Economist, Jan 15th, Jan 22 2011(インド軍をパキスタン軍に訂正)
 
 (2007年6月25日収録、2011年10月31日レイプ数追加ほか)
 
 
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