ここ数日ほど訳が分からないくらいバタバタしていまして、昨日・一昨日と2日間もメールの確認が出来ませんでした。
で、先ほどようやくPCを立ち上げてメールを開きましたら、なんと未読メールが1079通も溜まっていまして、思わずPCを閉じて逃げ出したい気分になりました(汗)。
いつも受け取っているメールは毎日200通から多くても300通くらいですので、今回ばかりはちょっとビックリしましたよ。
どうやら先日の記事が好評だった様で、アクセス数がいつもよりかなり増えており、多くの方々から質問や相談メールを沢山頂いている様です。
ただ今、一生懸命に頂いたメールを拝見させて頂いておりますので、お返事の方はもう少々お待ちくださいませ(汗)。

先日の記事は、いつも通り勢いに任せて好き勝手な事を書き散らかしたものなのですが、多くの方から思った以上に御好評を頂きまして、『考え方が深い』とか『参考になる』(←同業の方?)とか『洞察力に富んでいて納得できる』といった感想のメールも多く頂きました。ありがたい事です。とても励みになります!
えーっと物凄い余談なのですが、私は『洞察力』という言葉を聞きますと、学生の頃に恩師から「君のその無駄に鋭い洞察力は、どこに行ったら一番活かされるんだろうかねぇ?」と真顔で心配された事を思い出してしまいます。当時はあまり自覚は無かったのですが、30代の後半くらいから、『ちょっとニブイくらいが世の中は生き易いな』と考え方を改めまして今日に至っていたりします(笑)。話をする時なんぞは自分が偉そうに話し役になるよりも、少々アホになって聞き役に回る方が得るものが多いですし、むしろ会話が弾んで気に入られますからね。

さて話を戻しまして、前回の記事の続編みたいな事をまた調子に乗って書きたいと思います(笑)。
私の様な経営コンサルタントはクライアントの利益を最大化する事が仕事でして、そのためには様々な手段を講じます。
新しいマーケットを開拓したり、新製品や新サービスを提案したり、ビジネスモデルを作ったり、新規事業や新会社を立ち上げたりといった事は当たり前にやりますが、同業他社の足止めをしたり、相手の新製品開発の妨害をするために嫌がらせの特許を出願してケチをつけてみたり、様々なコネやグレーゾーンの手段を使って相手を市場から排除しようとしてみたり、法律の穴をついて新しい商品やサービスを展開したり(←これは外資系が得意)、コンプライアンスのギリギリを攻めてみたりと、まあ、あまり褒められたやり方ではない手段を講じる事も多々あります。

以前に話題にしました、カンボジア開発評議会(CDC)のジャパンデスクの担当者がある特定企業を優遇しているという件(最近は急に変わった様ですが(笑))を例に挙げますと、公的な立場で公金から給料を貰っている人がこの様な事をやるのは大問題ですが、その一方、優遇をして貰うように彼に働きかけたその企業の担当者またはコンサルタントは、自社の利益を最大化するために当然の動きをしたまででして、利益供与・贈賄などの違法な事をやっていなければ責められる筋のものではありません。無論、ジャパンデスクの担当者のモラルの低い行為は当然責められるべきですが。

言うまでも無い事ですが、クライアントの利益を最大化するために最も都合が良いのは『その市場の独占化』です。私もクライアントに依頼されれば、もちろんそのための様々な手段を講じます。
もっと言ってしまえば、先日の記事に書きました『新しい仕組みやルール作り』も、その対象の枠を大きく取れば独占化に繋げる事も可能です。
米国系企業が得意な『自分に都合の良いルール作り』や『相手を自分の土俵に乗せて戦う戦法』といった手法を駆使した独占化は実は私の得意技でして、頼まれれば仕事としてはやりますが、正直言いまして、私個人としてはあまり良い事とは思っていません。

コンサルタントの立場としましては、クライアントの利益を最大化させるのは最優先かつ最重要事項です。しかし、そもそもそのクライアントが寄って立つ業界や市場が縮小したり無くなってしまったら、全くもって意味がありません。『市場の独占化』は一時的にはクライアントの利益を最大化させますが、長い目で見ると競争を排除した業界・市場は必ず縮小して廃れますので、遠からずこのクライアントの利益も逓減して行き、いつかは潰れます。この事は、コンサルタントと名乗る人でしたら当然ジレンマになっている事です。まあ最近は、全くそんな事を考えていない人の方が圧倒的に多い様ですが(嘆)・・・。

東京電力を見るまでも無く、競争の無い独占企業・組織が腐敗するというのは古今東西当たり前の事実でして、逆に、業界や市場を活性化させるための競争は、長期的な視野で見れば最も多くの人に利益をもたらす事になります。世界中の国々に公権力で独占を排除する仕組みがあるのはいわば当然の事です。
一時期、米国系の企業がよくやっていました競争相手を攻撃したり買収したりして相手を殲滅させるというやり方は、ビジネス上での戦術としては優良でも戦略としては最低です

日本には、『切磋琢磨する』という大変に美しい言葉があります。
カンボジアに居る日本人の方々も、裏で人の悪口を言ったり、足を引っ張ったりといった程度の低いやり方ではなく、長期的かつ広い視野を持って、日本人同士、フェアーに競争すべき所は競争し、協調すべき所は協調して行けば、この成長著しいアジアで日本という存在感を大いに示す事が出来るかと思います。
競争というものもよくよく考えてみれば、お互いを支えあい切磋琢磨するものですので、大きな目で見れば協調と言って良いのかもしれませんし。


私は、人を泣かせる詐欺師や悪徳ブローカーは絶対に許せませんし、私や仲間が攻撃されれば手段を選ばず徹底的にやり返します。でも、基本的には多くの方々と協力し合って、相互利益の最大化を目指してやって行きたいと考えています。
ビジネスの利益というのは、独占しようとすれば少なくなり、みんなで分け合えばビジネス自体も長続きして利益の総量も大きくなるものです。

こういった事を多くの日本の方に共感して頂けると嬉しい次第です。
ただでさえカンボジアに住んでいる日本人は少数派なのですから。