韓国国民の60%「貧しさは社会のせい」

 貧しさの原因は何か。努力や才能不足といった個人的理由のためか。それとも社会構造的に貧しさから脱却できないのか。韓国の国民は社会構造のせいで貧しくなったと考える人が多いことが分かった。

 韓国保健社会研究院が最近発表した「公正性(公平性)のための国民意識調査」によると、貧困層の貧しさの原因について、回答者の58.2%が「社会構造のせい」と答えた。努力不足、怠慢、才能不足、不運など個人的原因のせいだという回答は40.8%だった。

 貧しさの原因に関する考え方は世代別にはっきりと分かれる。社会構造のせいだと考える人の割合は20-40代で65%前後(20代64.8%、30代70.2%、40代67.2%)と高いが、50代では48.7%、60代以上では39.3%と高齢層ほど低かった。50歳以上の世代は貧しさの原因を自分のせいだと考える傾向が高いことを示している。

 韓国社会の公平性に対する国民の認識も否定的意見が優勢だ。10.6%が「とても不公平だ」と答え、「やや不公平だ」との回答も24.0%に達した。

 これに対し、「とても公平だ」との回答はわずか1.2%にすぎず、「やや公平だ」との回答も14.4%にとどまった。否定的回答(34.6%)が肯定的回答(15.6%)の2倍以上に達した。約半分の49.9%は「まあまあだ」と答えた。

 社会の公平性に関する判断は、年齢が高く、保守的なほど公平だとの答えが多かったが、年齢や理念による差はそれほど大きくなかった。

 韓国社会の公平性を高めるための必要条件については、「経済的弱者に対する配慮」(28.8%)と「法治主義の確立」(28.4%)との回答が最も多かった。政府の庶民向け政策に対しては、「とても不適切だ」(12.5%)、「やや不適切だ」(22.6%)など否定的な回答が35.1%で、肯定的な回答(21.4%)を上回った。

 調査は韓国全土の20歳以上の男女2000人を対象に、昨年7月に電話による聞き取り方式で行われた。

金徳翰(キム・ドクハン)記者
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